今回は仮面ライダードライブの総括に参りたいと思います。
ぶっちゃけ今やる気がみなぎってるから、この勢いで総括を処理していきたいと思う次第です(今週はキョウリュウゼンカイに続き三作目の総括執筆である)。
そんなドライブの評価は……
「全てにおいて落第点のゴミ」
とします。
今作はなんかもうどこがどう酷いとかそういう次元じゃない。キャラもダメ、ストーリーもダメ、設定もダメ、構造もダメ、テーマもダメ、モチーフもダメ。全てにおいて落第点ですね。「なんでこんな事になったの??」っていうレベルで全てが酷い。
惨状はキョウリュウジャーからそのまま続投してるし疲労も見えるんだけど、有能な長谷川も、この頃はまだ元気だった香村でさえも酷い本を書き上げる始末で、全体的に負のオーラが漂ってる。監督も今作からくだらない演出を多用する様になったし、全方位ウンコなのはもはや芸術です。
正直ゼロワンと肩を並べるくらいのゴミですね。作品にすらなってない。
まとめきれるか不安だけど、頑張って戦ってみます。それでは見ていきましょう。
良い所
ありません。本当にありません。どんな駄作でも一応は光ってる所を見つけるのが得意な自分ですら、本当に思い浮かびませんでした。申し訳ございませんでした。
ので、コメント欄での意見をコピペします。
ご協力くださった皆様、どうもありがとうございました。心より感謝申し上げます。
悪い所
・警察としてヤバイ
今作のモチーフである”警察”。曲がりなりにも職業ライダーを打ち出しているのに、その辺の描写は圧倒的に不誠実で意味不明だった。デカレンジャーと似た印象があるけど、警察らしいプロフェッショナルな感じとか誠実さとかカッコよさはまるで見受けられない。
基本的にどのキャラも私情を優先して好き勝手行動するし、私情で裁きを下すし、警察として意味不明過ぎる行動が非常に多い。職務に従順で真面目で熱い思いを秘めてる様な、理想的な警官像を持ってると心折れると思う。ここまで酷いとは流石に予想も出来ないと思われる。
主人公の進ノ介がもう警官としてガバガバなので、お察しって感じだね。エリートの癖にサボるの日常茶飯事だし、担当する事件によってやる気を上下させるクズでもある。中々やる気を出さずぐうたらしてるし、第一印象が最悪である。
他にも教習所内で鬼ごっこしたり(教習中の車がいるのにもかかわらず)、高所から落下する現さんを放置したり、「悪の心がないから裁かない」とか抜かして犯罪者を見逃したり、殺人未遂の怪人に共感したり、怪人に肩入れして見逃したり。枚挙にいとまがないけれど、とにかく好き放題やらかしまくってる。
25話以降の「泊英介殺人事件編」では進ノ介の成長にフォーカスが当たるんだけど、ここでの描写もまあ酷い。呼び出しを無視するのは基本戦術、父親に事になると沸点下がってキレ散らかすし、謹慎を無視するというパワープレイをかます。暴走しまくりで血の気が多いバカとして描かれる事が増える。
一応成長描写を見せる為にバカな主人公として描いたってのは分かるんだけど、一旦成長した後も相変わらず私情に囚われて暴走しまくる珍プレーを見せるし、成長リセットは当たり前になってる。最後までグダグダで警官としては腐ってる描写しかなかった。
他の特状課の面々も酷いね。怪人と癒着するのは当たり前で、特状課ぐるみで犯罪者を隠蔽する無法者しかいなかった。35話で特状課が指名手配されるんだけど、正直積み重ねしかなかったから作中屈指の説得力を誇っている名場面だった。本当は説得力なんてあっちゃいけないんだけどね。
・犯罪者を裁く基準がガバガバ
これも上記の項の続きだけど、とにかく進ノ介の独断と偏見と私情で犯罪者を裁く事がまあ多い。警察たるもの一貫した基準やルールで取り締まって欲しいモノだけど、実際には進ノ介の一存で物事が進む事が多い。
人を殺してないからセーフ、趣味に共感したからセーフ、正々堂々戦ってるからセーフ、人を愛する心があるからセーフ、悪意をなぞっただけかだからセーフ……
そんな感じで好き放題やりまくりなんよな。「いやそこはちゃんとしようよ」と思った所で、進ノ介が「Yes」と言えばその通りに物事が進む。どんなに悪人で悪い事をしていたとしても、進ノ介が許せばそれで恩赦されるというガイジっぷり。
~進之介が裁かない人一覧~
・既婚者、リア充
・毒親のせいで不良に育った人
・正々堂々と犯罪をする人
・殺人未遂犯
・身内
・理念に共感した人
整理したらこんな風になる。これをたかが末端の警官である進ノ介が全て決めて取り締まっているので、あまりにも不可解で意味不明になってる。自警団ならともかく、れっきとした警官が適当な基準で犯罪者を裁いているのでもう目も当てられない。
19話と20話、38話以降の展開を見ればその恐ろしさの片鱗は分かると思う。
・倫理観の無い怪人肩入れ展開
これも上記の続きだけど、今作は途中から「ロイミュードは被害者(´;ω;`)可哀想(´;ω;`)」って展開が乱発される様になる。
2クール目の時点で「ロイミュードにも良い奴はいるのでは?」ってテーマが出てくるし、何かと肩入れさせようとする展開が多くなってくる。
そして37話以降の展開ではそのイカれた価値基準が本格的に激化してきて、悲惨な展開になってくる。
進ノ介「072は良い奴!(アイドルに暴行&器物損壊)」
「ハートは正々堂々としてるから悪党に見えない(ベルトさん殺してまふ)」
「ロイミュードにも誰かを愛する気持ちがある(だから?)」
「メディックも以前と変わり始めてる(だから?)」
「ロイミュードは人間の悪意をなぞっただけ」
「共存可能なり」
ハート「俺達は元々悪のつもりは無い」
「蛮野に悪の心を植え付けられました(°∀。)」
チェイス「1番悪いのは蛮野」
皆「蛮野が悪い」
4クール目では本格的にロイミュード大好き路線に火がついて、「蛮野が全ての元凶でロイミュードはただの被害者。蛮野だけが悪い蛮野だけが悪い蛮野だけが悪い」っていう認識で話が進む。
悪意の大元がなんであろうと、ロイミュードが起こしてきた事件は沢山あるのに、それらを無視して蛮野に全ての責任を転嫁するパワープレイ。蛮野に悪意を向けるし、ロイミュードに同情的な見方をするし。ここは本当に頭がおかしい。
38話は倫理が大崩壊した神回。あろう事か怪人を守り、その結果として超進化を招き、それが第二のグローバルフリーズに繋がるっていう。それ以降の話は全て汚職警官の尻拭い大会でしかなくなるので、あまりにも陳腐な展開になっていた。
進ノ介が犯罪者を裁く基準も適当で曖昧なので、マジで何を考えているか分かんなかった。人を愛する心があったら何をやっても許されるっていう超越的な倫理観で話が進行するっていうね。ロイミュードに同情の余地なんて1ミリもないし、圧倒的に理解が追い付かない神展開だった。
本当に何言ってるの?
・各エピソードの圧倒的完成度の低さ
警察としての倫理観や「らしさ」が著しく欠如してるのは御覧の通り。だったらエンタメとして何も考えなかったら面白いんじゃないかな……と思いきや、そこも壊滅的というね。
まず何と言っても「後出しが多い」。というか、後出ししかないんだけどね。この一言に尽きるけど、どんな圧倒的なピンチも危機的状況も全てを「後出し」で封殺する事が多い。
今作は一応刑事ドラマっぽい体裁を取っているんだけど、そこからしてまず終わってる。ろくな判断材料や証拠もなく推理なんて出来るはずがない段階で、「実はこうなってました!進ノ介は何でもお見通しでした!」って風に話を畳む事がまあ多い。
視聴者には犯人の予想も立てられず犯行の手口も分からない段階で、進ノ介があれこれ台詞で片付けて終了するってパターンがまあ多い。初耳だらけの真相をベラベラとまくしたてられて終わる事がまあ多いので、謎解きを期待して見ると大やけどする。
それに反抗の手口にしても、超常現象を利用したものが結構ある。人間をデータ化するとか記憶を抜き取るとかね。この辺は流石は特撮ドラマって趣なんだけど、そのせいもあって後出しジャンケンに拍車がかかってる。
「えっそんな能力あるの?」って感じで理解が追い付かない段階で、進ノ介が唐突に事件の真相に辿り着いて概要をベラベラ話すだけなのでマジで誠実さの欠片もない。視聴者には一ミリも共有出来てない事実を元にアホみたいに語り明かしてるだけなので、マジで着いていけなかった。伏線張ってるつもりにすらなってない。
惨状が論外なのは当然としても、長谷川の脚本も結構酷かったのがしんどい。謎解きを進める過程に関してはテンポも良くてかなり見やすいんだけど、解決方法で慌ただしくなってごちゃごちゃしちゃうってのがまあ多い。後出しジャンケンで終了する回も多く、誠実さの欠片もない。全てにおいて後出しの極み。
・解決方法がせこい
じゃあ具体的にどんな解決法があるのかを見ていきます。
まず筆頭に挙げられるのが「シフトカー」。これはマジでチートレベルのアイテムで本当にズルさしかしないので、本当に意味が分からない。
敵がどんな厄介な能力を使ってこちらを苦しめてきても、大抵シフトカーが出撃して状況を何とかしてくれるってのがまあ多い。強敵が現れてもシフトカーでワンパン、ケガしてもシフトカーで治療、探し物もシフトカーが運んできてくれる。どんなピンチもシフトカーで脱するし、ここはマジで論外。
これの何が酷いかって、どのシフトカーもぽっと出で唐突に出てくる所なんよな。「開発中のアイテムがある」とか言って存在を匂わせる事もなく、能力の全容が分かる事もない。視聴者的には全く預かり知れないアイテムが急に出てきて物事を丸く収めてくれるので、真面目に見てる人を馬鹿にしてるとしか思えないんだよな。
6話とか19話とか21話とか36話とかが特に酷いけど、いくら相手が強かったり捜査が難航していても、シフトカーさえあれば綺麗に話が終わってしまうのが圧倒的にヤバイ。
他には進ノ介の記憶力が冴えわたってる事になったり、秘密を知ってるゲストが唐突に登場したり、特異体質で強引に押し切ったり、心の中にデータを移植して蘇生したり、蛮野が解毒したり。細かいモノも多いけど、筋を通して物事を解決した事なんかマジで少ないと思う。
特異体質とかデータの扱いとかもそうだけど、今作の設定って何かと余白が多いんだよな。「それどういう事?」と疑問に感じる概念が非常に多く、またそれらをちゃんと説明しないまま話を畳む事が多いので、印象としては「後出しジャンケンで雑に片付けた」って風になる。
・作者にしか理解出来ていない世界観と設定
これはキョウリュウジャーと全く同じ問題点があるんだけど、作者の脳内だけで完結してるんだよな。設定もキャラも展開も、作者の脳内ではちゃんと描けているつもりになっているのが恐ろしい。
キョウリュウジャーの総括からコピペ。
そんな感じで視聴者の印象を超えてあれこれ説明したり、キャラ付けを適当に済ませたり、基本的な設定の描き込みが浅かったりするもんだから、どうにもヘンテコで頭に入って来ない展開が多い。
土台の作り込みが甘いから、どんな熱い展開を持って来ても上滑りしてるんだよな。
ベルトさんの秘密主義だとか、力の根源が敵と同じだとか、剛の「俺達は怪人同士じゃないか」って台詞とか。仮面ライダーの基本設定をなぞった展開を持ってくる割には、その事を描写出来てない。露骨な誘導で印象操作を与えているだけで、気持ちが着いていかない言動が多い。
シフトカーの性格も台詞だけで片付けるから誰がどういう性格なのかを把握出来ない。何でもかんでも台詞に起こすだけで満足してるんだよな。
基本設定もガバガバ。ドライブに選ばれる基準も最後までよく分からないので、10話や33話や映画などの展開がマジで滑り倒してる。
それにドライブシステムと「心」の繋がりが最後まであやふやなので、33話の蘇生が後出しジャンケンの宝庫にしかなってない。
剛は蛮野の息子でしたって展開も、そもそも種明かしの時点で蛮野の存在感が薄過ぎるので剛の悩みに共感出来ず。更には彼の家庭環境に対する掘り下げもあまりに薄いので、剛のドラマは何一つ面白くない。
中盤の主人公とも言えるチェイスの悩み(~26話)も適当。掘り下げもないまま悩ませるし、元々の性格も分からないから変化もピンと来ないし、粛清の基準も分からない。
他にもフリーズの能力とか特異体質とか「ロイミュードに悪の心を植え付けた」とか、全体的に概念がふんわりしてるんよな。SFっぽい作りになっている癖に、その中身はファンタジーと見間違わんばかりの適当で曖昧な設定のオンパレードだった。
そういう曖昧な設定や概念をきちんと説明する事無く。作者の脳内だけで分かった気になっている事がまあ多い。だから結果として後出しジャンケンにしかなってない展開が多く、何をしようにもピンと来ないんだよな。
続いては、そんな惨状の悪い所が全面に出た「構造の欠陥」について触れていきたいと思います。
・構造の欠陥
作品としての基本構造や構成がかなりいい加減なので、意味不明な展開が非常に多くなっている。
1.特状課の存在意義
25話の正体バレ以前の話だけど、途中までは特状課の存在意義がなさすぎてヤバかった。まあそれ以降も存在意義なんてないんだけど、24話までは構造が破綻しまくりだったんよな。
初期の特状課は本当に何の為に存在してるのか全然分からなかった。ライダーと特状課が違う方向を向いているから、話が上手く纏まってないんだよな。正体を隠す必要がなさすぎる様な構造になっていて、どうにも分かりにくくて不可解だった。
ドライブは敵を撲滅する事が目的で、特状課は犯人を逮捕すると。それでいてドライブの事は秘密で、ロイミュード事件も世に知られてないとなると、特状課の存在意義が本当にないんだよな。敵を倒すだけならドライブで事足りるし、そもそも特状課がどういうモチベで動いているのか分からない。
世間的にはロイミュードの事は知られてなくて小馬鹿にされてる様な職務なのに、彼らが一体何を目指しているのかが分かんないんだよ。犯人は大体ロイミュードで最後はドライブが処理するもんするもんだから、逮捕に向けて動いてる訳でもないしね。
途中までは進ノ介も特状課も事件解決って方向に向かって進んでるんだけど、最終的な事件解決はドライブに丸投げという。特状課の面々は事件解決の為に頑張っていたはずなのに、最後の最後はドライブに丸投げしてるからどうも構造が不透明なんよね。
事情を知らない特状課の面々はあくまでも犯人逮捕が目的なのに、ドライブが敵を倒しただけで満足してるっていう謎がずーーっと残るんだよ。途中までは一心同体で頑張ってたとしても、肝心の事件解決を外部に丸投げしてるのは不自然な構造だった。
そもそもドライブが敵を倒した事さえ知らないはずなのに、何故か満足してその話を終えてるから特状課が何を目指してるのか本気で分からない。
それにロイミュードが認知されてないなら、コピー元の人間を裁く理由も分からないんよ。途中からは「ロイミュード扶助罪」的なのが出てきたけど、24話以前はそういうのもないしね。その癖久坂は逮捕されるし、どういう基準で裁いてるのかが良く分からない。
確信めいた所までの推理は敢行する癖に、肝心の怪人の話とかには一切立ち入らない不自然さ。ドライブの正体は秘密なのに、事件解決はドライブが担うというガバガバさ。特に役立たないし、本当に「隠れ蓑」としてしか機能してない。
そもそもの話、警察とか世間がロイミュードの事を知らないのは無理があるんよね。後付けで伏線って事になったけど、流石に強引な展開だった。
総じて言えるのは特状課とドライブを分けた意味が無いし、隠す理由もないって事だね。途中からは改善するけど、途中までは「本当にこれで良いの?」っていう疑問が消えなかった。
2.ロイミュードの設定
ロイミュードの各種設定もかなりガバガバ。
そもそも相手をコピーするっていう設定自体がまあ分かりにくい。顔や背丈と言った身体的特徴をコピーするのか、記憶もひっくるめてコピーするのか、2人以上コピー出来るのか、そもそもコピー元との関係はどうなっているのか。
記憶をコピーしたとて、それがロイミュードの人格形成にどの程度影響を与えるのか。悪事を働くという本能はどこから来てるのか。
特に序盤の方だとこの辺の設定が固まり切ってないのが素人でも分かるし、まあ曖昧だった。終盤の方までふんわりしてたのはゲロ出そうだけどね。
そもそもの話、ロイミュードの目的が中々明かされないのもしんどい。進化して何をどうしたいのかが一向に明かされないから、序盤のホントに苦痛だった。
進化して新たなステージに進むだの言ってるけど、そもそも進化の基準もかなり曖昧なんだよな。コピーして何がしたいのかが分からないし、目的が曖昧過ぎて中々ついていけない。人間をコピーして、そこからどうすれば進化するの?色んな人のデータを取り込めば進化するの?暴れたら進化するの?
何をすれば進化出来るのかっていう基準も何も分からない段階で、「新しい事例が出て来ましたねえ」とか言いだすしマジでついていけない。彼らの設定の作り込みが浅く、余白が多過ぎて作者にしか分かってない感じだった。31話でようやく明かされるんだけど、ぶっちゃけ遅過ぎです。ゾディアーツを見習え。
他にも「死神の粛清」もよく分からない。特に悪い事をしてなくても粛清するし、そもそも進化に繋がりそうな行動でさえも粛清に乗り出そうとするしでマジで何がしたいのかが分かんなかった。何をすれば粛清に繋がるのか、何をすれば琴線に触れるのか。ロイミュード周りの設定が適当過ぎて、死神の存在意義もないんだよな。
もっと言えば粛清した回数も1回くらいしかないので、死神としてのアイデンティティや役割は無いに等しい。この辺のチェイスのキャラ付けの適当さが後にも響いてくるんだけどね。
特状課とロイミュード。作中の根幹を成す設定がかなりグダグダで適当なのは救えないね。各種設定が噛み合ってないし、展開も不可解なモノが多い。作者にしか分かってない状態で話が進行するから、マジで何やってんのか分かんない。
・壊滅的なキャラ描写
警察としても落第、倫理観も落第、ストーリーも落第、設定も落第。じゃあキャラくらいはマシだと良いな、そう願っても無駄だから~~~ グッバイ!♪
・特状課
特状課の面々はまあダメ。これはさっき「警察として終わってる」って所で書いたから簡素にするけど、どのキャラも警察らしさが死んでるキャラしかいない。
進ノ介は警察なのに私情を入れて犯罪者を擁護しまくりだし、ロイミュードに肩入れしてグローバルフリーズを引き起こすなど狂った行動が多い。
他にもシンプルに性格が悪く、高圧的で傲慢で独善的な言動が多く、やたらと鼻につく造形だった。
その癖脚本家からの厚い御加護を受けているので、マンセーに拍車がかかっているという地獄。
霧子は普通に性格が悪くて魅力がない。無愛想で可愛げがないし、心理描写もブレブレ。進ノ介を意識したかと思えばチェイスにぞっこんになり、最終的には進ノ介に股を開くというビッチ属性を持つ魔性の女だった。
「チェイスを信じる信じない」って議論にしても、あんまり一貫性はなかった。見限った次の回には介抱してるもんで、何がしたいのかあんまり読めない。
剛に対する当たりも強く、心配をよそにチェイスとのラブロマンスに興じたり、剛の誠意を軽くスルーしたり、ビンタしたりとシンプルに姉として性格が悲惨だった。脚本の都合で動く事が特に多く。あんまり血の通ってないキャラって印象だった。
その他の特状課の面々は空気。粒だった個性こそあるけど、それが脚本に反映される事はなく、進ノ介との信頼が特別濃い訳でもない。現さんは結構好きだけどね(アンチの風上にも置けない)。
・ベルトさん
ベルトさんはただの変身アイテムでしかないので、特に存在感もない。10話とか31話で進ノ介に対する抑止力になったりと相棒らしい対立をする事もあれど、結局進ノ介マンセーに終わるのであまり機能してなかった。
45話辺りの掛け合いはかなり良かったけど、ぶっちゃけ相棒らしい事をしたのはその時くらい。あまりに空気な相棒でした。
ってかそもそもの話、霧子もベルトさんも進ノ介のバディとして扱われているもんで、軸がブレちゃってるんだよな。誰が正妻かが分かんないし、そのせいで映画とか33話の大事な場面でコケてしまってるのはある。相棒が定まってないのは致命的な欠陥だと思う。
その他にも蛮野との関係性もあるにはあるけど、ろくに説明もなくイマイチ繋がりが見えないからドラマになってなかった。全体的に言える事だけど、人間関係の繋がりが希薄で情報量が少ないんよね。属性付けるだけで満足してるというか。「元同僚だから詳しく言わなくても分かるよね」みたいなノリで説明を放棄してる事例がまあ多い。
・剛
剛はマジでピエロ。背負ってる物こそ大きいかもしれないけど、まるで魅力のないキャラだった。
初期の方は何やら焦ってる様な素振りを見せるし、何かしらの事情があるんだなってのが察せられるんだけど、具体的な説明は何もないからまあ感情移入出来ない。アンチロイミュード的な姿勢を貫いてはいるんだけど、その奥底にある動機が分からないからイマイチピンと来ないんだよな。
撲滅を急いでいる割には、悠長に名乗って敵を逃がす事もあったし……
それで27~8話で満を持して明かされた真実もクソショボいというね。「剛はロイミュードの生みの親である蛮野の息子でした、霧子に真相がバレる前に撲滅します」とは言うモノの、ここは丸っとダメダメ。
そもそもの話蛮野の存在感が限りなく薄く、10話でチラッとだけ触れられた空気キャラを軸にして「満を持した種明かしです!」って風にやられてもピンと来ないでしょ。ロイミュードの発明者って事でインパクトを付けたつもりになってるだけで、実際問題蛮野のキャラ付けが何も出来てないからあまりにショボい真相にしかなってない。
肝心の霧子は「お父さんがクズなのは何となく知ってました(^▽^)/」と抜かす始末なので、剛の頑張りが全て無駄になっているというね。これは救えない。
それにその真相から「是が非でもロイミュードをぶっ殺すわ」って風な動機が形成される過程もかなり説得力がなく、中盤は剛が何をしたのかがよく分からなくなるんだよな。姉の笑顔の為に戦うって言うんなら、ロイミュードに寛容的な姉の姿勢を尊重するべきだと思うし。
何というか、背景と行動があんまり合致してない感じ。背景は分かるにしても、そこが「剛がロイミュードを憎む理由」にはならないと思うしね。他でもない剛自身がアンチロイミュードになった過程を作らないままにドラマを作るもんだから、どうもよく分からないんだよ。
そこの動機の弱さをプラスアルファで作れていたら完璧だったんだけど、しっくりこないまま進むから全然感情移入出来ない。核となる動機が不明瞭なんよね。これでは剛の良さは生きてこない。
オマケに雑な扱いが散見されるのもマイナス。ハートとの因縁は存在意義のないまま消失するし(36話)、「特状課や姉ちゃんに合わす顔がない」とか言ってしばらく距離を置いていたにもかかわらず、何のキッカケもなく和解していたり。作ったドラマの片鱗を雑に丸投げする事も多く、キャラの尊厳が破壊されまくりだった。
・チェイス
チェイスはマジでヤバイ。主人公並みの背景を背負っている事もあってスポットが当たる事が多いんだけど、どのドラマもかなりグダグダしてる。
1クール目から早速「俺は誰だ」とか言ってアイデンティティに悩む姿が描かれるんだけど、正直な話彼の背景やキャラ付けが完了してないまま話が勝手に動くから、一ミリも感情移入出来ないんよな。彼が今一体何に悩んでいて何をどうしたいのかが分からず、「戦う事で存在を証明する」とか言い出してるのもギャグにしか見えない。
そもそものキャラ付けがないままあれこれ悩んだり思わせぶりな態度を取るから、ドラマが本当に面白くなかった。元々の性格も分かんないしね。
で、2クール目以降は空気。ただ命令に従って動くだけのキャラになるので、主体性が根こそぎ奪われてしまった。そもそも「キャラクター」がないと言った方が適切で、誰かの指示で動くだけだから中身が何もないんだよ。虚無の極み。
チェイス関連の話はかなり多いんだけど、どの話も壊滅的に面白くないっていうね。悩む理由も分からないし、botの域を出ないから魅力なんてあるはずもない。
そんな主体性がなくアイデンティティに悩む彼が如何にして自分なりの答えを見つけ出すのかが26話の大きなトピックだったんだけど、ここはマジでアカン。人類の言いなりにされる宿命とか人類のエゴを散々指摘した後で、結局「人類の言いなりになります」とか抜かしたのはビックリ仰天。
主体性がなく人類のエゴやプログラムに沿ってにしか動けない機械人形にしかなれてないんだよな。彼の行動は全部プログラムに沿ってるだけだし、キャラクターが何もない。滅の原型ですね。
その後はただヒロイックに頑張る無個性キャラに。
かと思えば一般人を恫喝したりと、中々自由奔放に頑張ってました。
他には急に霧子に惚れたり、「人類に近付きたい」とか唐突に意味不明な事を抜かしたりと色々と迷走してました。正直な話無個性ロボットだった彼が「家族愛を守る為に戦う」って結論を出したのは結構好きだったりする。けど、トータルで見るとしょうもないキャラだったと思いますね。
・ロイミュード
ロイミュード勢も頭おかしい人しかいない。
ハートはマジで頭おかしい。ダブスタガイジで暴君でしかなかった。
一応彼はは仲間想いで友達を大事にしてるってキャラなんだけど、その癖に仲間を見捨てる場面も相当多く、ただのクズでしかなかった。
チェイスをあっさり見捨てるし、メディックによるブレンいじめは見て見ぬふりをするし、そんなメディックに対して冷たく突き放したと思った矢先に急に優しくするっていうDV夫としか思えないクズっぷりを発揮する。
001が進ノ介を殺した際にはキレ散らかすし(数が増えないロイミュードを殲滅するドライブが死んで損する事は1ミリもないから。要は自分が進化したいだけ)、001が死んだ際には悲しむより先に進ノ介の復活に歓喜するという。
「ロイミュード同士どうして仲良く出来ないんだ」とは言うモノの、その癖イジメは容認するし仲間の死を悼まないしで言ってる事とやってる事がバラバラ。
更に彼は強敵に燃える戦闘狂って側面があるんだけど、これがまあ印象最悪。001への態度からも分かるけど、「進ノ介が生き返った喜び>>>>フリーズの死」って風に捉えてるんよ。たとえ仲間が死んだとしても、好敵手が生き返ったらそれでOKっていうね。
(踏み込んだ話をするなら、そもそも33話時点では剛がハートの好敵手になる可能性は残ってたんだよな。だから進ノ介の死にキレるのは早漏だし、仲間想いとは真逆の発言に辟易する事間違いなし)
友達想いっていう性格と相手が強ければ強い程燃えるっていう性格があまりにも噛み合ってないんだよな。ドライブが強くなればなるほど友達が死んでいくって事なのに、その事を平然と受け入れているのは頭沸いてる。
友達にこだわる割にはその背景も分からず、最終的には「自分が進化出来たら友達は死んでOK!」みたいな歪んだ価値観を見せる様になる。言ってる事とやってる事が著しく乖離していて、恐ろしいくらいのダブスタガイジだった。
ブレンも魅力ない。11話で急にハートに惚れるし、結局その理由も分からないまま死ぬし、最後は謎に急にメディックに感化されたりする。彼も例に漏れず脚本の都合であれこれ動いていて、あんまり共感出来ないキャラだった。最後は善人面して無駄死にするしね。
特にハートに惚れた一幕だったりメディックとの不仲だったりは31話まで何を意図しているのかがさっぱり分からないので、意味のない小競り合いを20話近く見せられるっていうね。理解に苦しむ。
メディックも致命的。ハートに惚れる理由が乏しく、やってる事は普通に外道なのに急に良い奴認定されたりと不自然な展開が多かった。で、最後は無駄死に。エッモ。
ブレンとメディックの関係性も何とか作ろうとしてたけど、あんまり機能してなかったと思う。
・蛮野
蛮野は本当にくだらないキャラ。全ての元凶になって都合良く責任転嫁させる為の役割しかないので、キャラクター性は皆無。
人類をナンバー化して支配したいとか言ってるけど、その動機は一切分からない。うっすいうっすい背景しかないので、何がしたいのかが分からないんだよな。
ベルトさんとの関係性も薄く、剛との関係性もかなりやっつけ仕事。「ロイミュードは悪くない」っていう展開をしたいが為の舞台装置で、キャラクター性はなかった。こんなのが一応ラスボスになってるので、あまりの核の無さに驚く事必至である。
・雑な人間ドラマ
キャラクターにはもちろん魅力がないとして、オマケに人間ドラマもまあ雑。まともに描けたのは何一つない。
まず霧子と進ノ介の恋。彼女らの関係性の変化や歩み寄りは一ミリも描けていないので、まあ悲惨な出来だった。
何と言っても距離を詰める話がないんだよな。過程がないまま「互いを異性として意識する間柄」になるし、唐突な恋愛描写をぶっこんでくるから理解不能。
特に霧子の心理描写ははガバガバで、13話で急に慌てふためいたと思いきやチェイスにぞっこんになり(ここもまあ意味不だけど)、散々チェイス一筋になった挙句に進ノ介大好きキッズに身を落とすという。あっちに行ったりこっちに行ったりしてるもんで、何を考えてるのか分かんない。
進ノ介の方もいつどこで霧子を好きになったのかも分からない。チェイスに対して「お前は霧子のナイトなんだよ」と臭い台詞を吐いたかと思いきや、謎に嫉妬する描写が入ったりとあまりに芯がない造形してたと思う。
もっと根本的な話をするとしたら、そもそもバディ関係ですらまともに描けていないので、そこから恋仲に発展されても何も説得力がないというね。
次にチェイスと剛の関係。正直ここが一番ガバガバ。
剛は何かとチェイスを目の仇にしていてつんけんしてるんだけど、ある時を境に何のキッカケもなく急に態度が軟化してデレデレになっていくという。
チェイスとの交流や距離を縮めるまでの過程はマジで何もなかった。時間の経過で馴れ合ったり大袈裟にリアクションを取って仲良さげな雰囲気を出してるけど、実際の交流に中身があったのはたったの一度きりだった。
33話で進ノ介を死なせた後悔を背負う剛に対し、「愛する者の為に戦う戦士なのは分かった。自分の信念を貫け」って言った所だね。こういうシリアスな掛け合いや上辺だけじゃない心の交流があってこそ、初めてダチと呼ぶにふさわしいドラマになる訳。
でも実際どうですか?時間が経っただけで急に手の平を返した様に仲良くなってたし、中身のある掛け合いやドラマはほっとんどなかった。いつの間にか馴れ合う様な関係性になっただけで、ホントに何もないんだよ。ドラマもクソもないんだよな。
昔はあれだけつんけんしててギスギスしてて不仲だったくせに、剛の闇落ち展開を経た後に「なんとなく」態度が変わっただけなんよ。39話くらいで急に馴れ合う関係になった時点でクソなんだけど、そこに至るまでにちゃんとしたドラマがないからその時点で詰んでる。
過程も何もないままに友達認定するもんだから、ぶっちゃけ何言ってんのか分かんない究極のエモ展開だった。こういう失ってこそ初めて大切さが分かるって展開は王道なんだけど、彼らの場合はドラマも交流も何もないからマジで響かなかった。その癖演出は泣かせに来てるから、どうも寒い。
オマケに蛮野との因縁もかなり適当でブレブレ。剛が蛮野をどう思っていてどういう態度を取っているのかがよく分からないまま話を進めたせいで、盛大のクラッシュしてるんだよね。好きなのか見下してるのか、さっぱり分からない。ジードみたいだね。
詩島家の関係性や過去をろくに掘り下げなかった弊害が出てる感じで、子供達にとって父親がどういう存在なのかをほとんど描写せず、なあなあのまま進めたせいで何も感情移入出来ない作りになってた。
「父親の尻拭いをするのが息子の役目」とか「家族の愛を裏切った」とか「俺達はお前の何なんだよ」とか、あたかも「信じていた父親に裏切られた」と言わんばかりの温度で喋るもんだから何も気持ちが着いていかない。
母親は早死にしたし、幼い頃から霧子と二人だけで生きてきたんでしょ??一体どこで父親と関わったの??一丁前に父親らしい事をして貰った経験とかあるの??父親を慕って雰囲気出してるけど、一体何があったの???
詩島家の全容がほとんど見えず、複雑な家庭環境の割には全く触れられもしない。そのせいで父親が元凶って事が分かったとて、何も意外性もないし剛に共感出来ない。詩島家って元々仲良しだったの??
なんか「息子」としての役割を受け入れてる様な印象なんだよね。息子だから何とかしなきゃいけない、みたいな。でも肝心の父親との繋がりや彼を慕う気持ちがろくに描かれず掘り下げられもしなかったから、ガチで何言ってるか分かんないんよな。
ここマジで惨状の悪い癖出てるわ。設定作っただけで満足しちゃってる。「元凶の息子が仮面ライダー!どう?ビックリしたでしょ?」みたいな。設定は悪くないと思うけど、それに伴う肉付けが壊滅級だから何も感じない。家族の繋がりを描写をしない事には、何も感じません。
蛮野をクズと思ってるからこそロイミュード撲滅に走ってるのかな……と思いきや、何か未練タラタラで愛情に飢えてる素振りを見せるし。別に剛は家族がいなかった事にコンプレックスを感じるキャラでもないので、蛮野との因縁は全部滑り倒してた。「さよなら俺の未練」って何?
他にもブレンとメディックの関係とか、ベルトさんと蛮野の因縁とか、どのドラマも上手く作れてないんだよな。どのドラマも積み重ねとなる描写や土台作りが疎かなままに進むもんだから、全然頭に入って来ない。これは中々にクソ。
・テーマがやばい
警察としても落第、倫理観も落第、ストーリーも落第、設定も落第、キャラとそこに付随する人間ドラマも落第。
もうここまで来ると問答無用でゴミなんだけど、ドライブの場合は「テーマ性」もマジで腐ってるのが凄い。本当にここまで来ると逆に芸術だと思う。
「ロイミュードに人権はあるか?」
「ロイミュードは人間の道具でしかないのか?」
「ロイミュードに良い奴はいるの?」
2クール目辺りから「人間のエゴとそれに振り回されるロイミュード」っていう議題が出てくるし、チェイスがそのドラマの中核を担っていたのは事実。人間の道具として、また死神として他者に利用されるだけだったチェイスが如何にして主体性を得て結論を出すのかが大事だったんだけど、ここもまあコケた。
進ノ介やベルトさんは「元仮面ライダーだから良い奴に決まってる、目を覚ませ」って感じでチェイスの生まれ持った使命を強要しているし、霧子も脳死で仮面ライダーとしての役割を期待するだけ。チェイスの尊厳を認めていない様な言動が多く、それこそ人間のエゴで振り回していた訳。
で、色々悩んだ挙句彼が出した答えがこれ。
結局最後まで彼に主体性が伴う事はなかったし、本能に則った生き方しか認めてもらえないっていうあまりに偏った展開で頭が痛かった。この結論を出すまでの過程もクソ雑だし、テーマ性は瀕死状態。人間のエゴを肯定してどうすんの。
チェイスの心理描写がどれも壊滅的に下手な上に、決断に至るまでの展開も穴だらけでザル過ぎるという始末。何考えてるか分かんないし、結局は人間の都合を押し付けられただけのゴミ展開だった。
人間側についても「使命をなぞっただけ」だし、ロイミュードについても「元の出自に沿っただけ」というね。肝心のチェイス自身のキャラクターが一切生まれていなくて、どんなオチになっても奴隷にしかなれないっていう残酷さ。
自分の足で1歩を踏み出す所か、結局他者の思惑の上でしか動けないっていうのはあまりに救いのないカス展開だと思います。こんなの死神として利用されてた頃と何一つ変わってないよ。
で、蛮野登場以降の展開もまあクソ。やたらとロイミュードに同情的な展開が多くなるし、テーマに対してあまりにズレた答えを出していたと思う。
確かにロイミュードの出自は可哀想かもしれないけど、それでも悪事を働いているのも事実。なのにそこに目を伏せて「ロイミュードは人類のエゴに振り回されてるだけだから悪くない!!共存可能!」とか言い出す始末。ロイミュードの善性を大きく偏りのある形で描き、それを作品の結論に持ってくるという意味不明さ。
人間の悪意をなぞっただけだと言っても、実際に悪い事やってんのにそれを無罪放免にするのは圧倒的に違う。
それに進ノ介はロイミュードの独自性や人権を認める様な物言いが多い癖に、実際やってる事は上から目線で裁きを加えているんだよね。ロイミュードの人権を尊重しているようで、変に擁護したり特別扱いしたりとダブスタ発揮してんだよな。
本当にロイミュードの人権を認めているなら、しっかり裁いて逮捕するなりすれば良い物を、「可哀想だから許します」みたいな自分勝手な事を言い出すっていう。
チェイスに対する認識もそうだけど、結局進ノ介がやってんのは「人類のエゴでロイミュードを振り回してるだけ」なんよな。我こそはロイミュードの人権を尊重していてエゴで振り回したりしませんとか言いつつ、当の進ノ介本人が一番エゴまみれっていう。
ロイミュードは人類の支配からの脱却を目指しているのに、最後まで手の平の上で転がされるっていうね。これは酷い。
とにかく言ってる事とやってる事が違うので、作品全体としても何が言いたいの??ってなってくる。ロイミュードの人権や主体性は最後まで認められないし、偏りのある形でテーマを描写するし、出した答えもやってる事と真逆でダブスタでしかないという。
結局この作品がないが言いたかったのかが分かんないんだよ。大きく捉えれば「人間悪い子、それでも頑張る警察カッコイイ」ってとこ?
総括
どこから突っ込めばいいか分かんなかったけれど、とりあえず書き切りました。長々と失礼しました。
本当だったらもっと具体的に「ここがダメ」とか「ここは良かったけれどその弊害であそこがダメになった」とか書きたかったんだけど、そういう次元ではなかった。全てにおいて落第点。
警察モチーフ……-30点
倫理観……-50点
ストーリー……0点
設定……0点
キャラ……5点
人間ドラマ……-40点
テーマ……-80点
本当にどこを取ってもゴミでしかない。
モチーフには泥を塗る仕様、倫理観も遥か彼方、ストーリーもクソつまんない、設定も曖昧で何でもあり、キャラも不快感しかない、人間ドラマも積み重ねがなく上っ面だけ、テーマも壊滅的。全ての要素がゴミ過ぎるし、惨状の悪い所しか出てない作品だった。作者の脳内で完結してる場面が多く、面白さは死んでしまっていた。
辻褄の合ってない展開や雑な構造が多く、普通に見ててもノイズが多くて楽しめない。頭空っぽにして見ても苦しい所しかないし、ここまで腐ってるのは奇跡だと思います。つまんないだけなら良いんだけど、不誠実で不快で不条理な展開しかないからマジでストレス溜まったわ。奇跡的なゴミですね。
そんな訳で。
「全てにおいて落第点のゴミ」
である、仮面ライダードライブの総括でした。
オマケ・好きな回トップ5
1位……
2位……
3位……
4位……
5位……
ぶっちゃけ今やる気がみなぎってるから、この勢いで総括を処理していきたいと思う次第です(今週はキョウリュウゼンカイに続き三作目の総括執筆である)。
そんなドライブの評価は……
「名作」…文句の付けようがない素晴らしい作品。悪い所もあれどそれを上回る魅力でカバー出来ている作品。圧倒的な風格を誇っている。作品通して伝えたい事が明確であり、それを見事に描写しきっている作品。
「良作」…突出して良い所はあるし人によっては名作に位置づけられそうだけど、無視出来ない欠点や悪い所が隠しきれてない作品。テーマや主張がしっかりしていたりと、ポテンシャルは高い。
「佳作」…良くも悪くも小さくまとまってる。普通に面白いけどただそれだけ、みたいな「格」が足りない作品。エンタメとして面白いけど、テーマが浅かったり主張が無かったりする作品。
「凡作」…プラスマイナスゼロ。虚無。あんまり面白くない作品。人畜無害な作品か、あるいは極端に良い所と悪い所が相殺しあってる作品。
「惜作」…悪いところだらけで並みの作品以下だけど、辛うじて作品としての質は保っている作品。明らかに出来が悪いが駄作とまではいかなかったり目を見張る長所がある作品。人によっては駄作認定される。駄作の救済措置。
「駄作」…ゴミ。とにかく作品の悪い所が全面的に出まくりで良い所を潰してる。或いは、良い所が皆無。
「全てにおいて落第点のゴミ」
とします。
今作はなんかもうどこがどう酷いとかそういう次元じゃない。キャラもダメ、ストーリーもダメ、設定もダメ、構造もダメ、テーマもダメ、モチーフもダメ。全てにおいて落第点ですね。「なんでこんな事になったの??」っていうレベルで全てが酷い。
惨状はキョウリュウジャーからそのまま続投してるし疲労も見えるんだけど、有能な長谷川も、この頃はまだ元気だった香村でさえも酷い本を書き上げる始末で、全体的に負のオーラが漂ってる。監督も今作からくだらない演出を多用する様になったし、全方位ウンコなのはもはや芸術です。
正直ゼロワンと肩を並べるくらいのゴミですね。作品にすらなってない。
まとめきれるか不安だけど、頑張って戦ってみます。それでは見ていきましょう。
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
2016-01-06
良い所
ありません。本当にありません。どんな駄作でも一応は光ってる所を見つけるのが得意な自分ですら、本当に思い浮かびませんでした。申し訳ございませんでした。
ので、コメント欄での意見をコピペします。
・ライダーデザインとベルトのデザイン、OPとかは結構評価できますね。後は役者さんが粒揃いなところとか?特状課の面々も個性豊か
・ドライブの良さは…玩具の認識がめちゃくちゃ多いことですね。あとクリス・ペプラーの声がいい。トライドロンもそれなりにカッコイイマシンで良かったんじゃないんですかね。
・まじで「車によく乗るところ」しかないのではって感じですね。
・霧子が可愛い、ベルトが鍵を捻るタイプでメカニック(シフトカーダサいけど)、オープニングが運転中聞きたくなるような爽やかさ、売れっ子の竹内涼真が出演してる、魔進チェイスのガワが格好いいでしょうか。
・進兄さんが成長するまでの過程で書いてる事以外に良い点はほぼゼロだと思う・・・。
・これは個人的すぎると思うのですが変身音が割とシンプルなことくらいですかね
良いところを挙げるならばBGMが印象に残るものが多かった点だと感じます。特にドラマパートでの曲
ご協力くださった皆様、どうもありがとうございました。心より感謝申し上げます。
悪い所
・警察としてヤバイ
今作のモチーフである”警察”。曲がりなりにも職業ライダーを打ち出しているのに、その辺の描写は圧倒的に不誠実で意味不明だった。デカレンジャーと似た印象があるけど、警察らしいプロフェッショナルな感じとか誠実さとかカッコよさはまるで見受けられない。
基本的にどのキャラも私情を優先して好き勝手行動するし、私情で裁きを下すし、警察として意味不明過ぎる行動が非常に多い。職務に従順で真面目で熱い思いを秘めてる様な、理想的な警官像を持ってると心折れると思う。ここまで酷いとは流石に予想も出来ないと思われる。
主人公の進ノ介がもう警官としてガバガバなので、お察しって感じだね。エリートの癖にサボるの日常茶飯事だし、担当する事件によってやる気を上下させるクズでもある。中々やる気を出さずぐうたらしてるし、第一印象が最悪である。
他にも教習所内で鬼ごっこしたり(教習中の車がいるのにもかかわらず)、高所から落下する現さんを放置したり、「悪の心がないから裁かない」とか抜かして犯罪者を見逃したり、殺人未遂の怪人に共感したり、怪人に肩入れして見逃したり。枚挙にいとまがないけれど、とにかく好き放題やらかしまくってる。
25話以降の「泊英介殺人事件編」では進ノ介の成長にフォーカスが当たるんだけど、ここでの描写もまあ酷い。呼び出しを無視するのは基本戦術、父親に事になると沸点下がってキレ散らかすし、謹慎を無視するというパワープレイをかます。暴走しまくりで血の気が多いバカとして描かれる事が増える。
一応成長描写を見せる為にバカな主人公として描いたってのは分かるんだけど、一旦成長した後も相変わらず私情に囚われて暴走しまくる珍プレーを見せるし、成長リセットは当たり前になってる。最後までグダグダで警官としては腐ってる描写しかなかった。
他の特状課の面々も酷いね。怪人と癒着するのは当たり前で、特状課ぐるみで犯罪者を隠蔽する無法者しかいなかった。35話で特状課が指名手配されるんだけど、正直積み重ねしかなかったから作中屈指の説得力を誇っている名場面だった。本当は説得力なんてあっちゃいけないんだけどね。
・犯罪者を裁く基準がガバガバ
これも上記の項の続きだけど、とにかく進ノ介の独断と偏見と私情で犯罪者を裁く事がまあ多い。警察たるもの一貫した基準やルールで取り締まって欲しいモノだけど、実際には進ノ介の一存で物事が進む事が多い。
人を殺してないからセーフ、趣味に共感したからセーフ、正々堂々戦ってるからセーフ、人を愛する心があるからセーフ、悪意をなぞっただけかだからセーフ……
そんな感じで好き放題やりまくりなんよな。「いやそこはちゃんとしようよ」と思った所で、進ノ介が「Yes」と言えばその通りに物事が進む。どんなに悪人で悪い事をしていたとしても、進ノ介が許せばそれで恩赦されるというガイジっぷり。
~進之介が裁かない人一覧~
・既婚者、リア充
・毒親のせいで不良に育った人
・正々堂々と犯罪をする人
・殺人未遂犯
・身内
・理念に共感した人
整理したらこんな風になる。これをたかが末端の警官である進ノ介が全て決めて取り締まっているので、あまりにも不可解で意味不明になってる。自警団ならともかく、れっきとした警官が適当な基準で犯罪者を裁いているのでもう目も当てられない。
19話と20話、38話以降の展開を見ればその恐ろしさの片鱗は分かると思う。
・倫理観の無い怪人肩入れ展開
これも上記の続きだけど、今作は途中から「ロイミュードは被害者(´;ω;`)可哀想(´;ω;`)」って展開が乱発される様になる。
2クール目の時点で「ロイミュードにも良い奴はいるのでは?」ってテーマが出てくるし、何かと肩入れさせようとする展開が多くなってくる。
そして37話以降の展開ではそのイカれた価値基準が本格的に激化してきて、悲惨な展開になってくる。
進ノ介「072は良い奴!(アイドルに暴行&器物損壊)」
「ハートは正々堂々としてるから悪党に見えない(ベルトさん殺してまふ)」
「ロイミュードにも誰かを愛する気持ちがある(だから?)」
「メディックも以前と変わり始めてる(だから?)」
「ロイミュードは人間の悪意をなぞっただけ」
「共存可能なり」
ハート「俺達は元々悪のつもりは無い」
「蛮野に悪の心を植え付けられました(°∀。)」
チェイス「1番悪いのは蛮野」
皆「蛮野が悪い」
4クール目では本格的にロイミュード大好き路線に火がついて、「蛮野が全ての元凶でロイミュードはただの被害者。蛮野だけが悪い蛮野だけが悪い蛮野だけが悪い」っていう認識で話が進む。
悪意の大元がなんであろうと、ロイミュードが起こしてきた事件は沢山あるのに、それらを無視して蛮野に全ての責任を転嫁するパワープレイ。蛮野に悪意を向けるし、ロイミュードに同情的な見方をするし。ここは本当に頭がおかしい。
38話は倫理が大崩壊した神回。あろう事か怪人を守り、その結果として超進化を招き、それが第二のグローバルフリーズに繋がるっていう。それ以降の話は全て汚職警官の尻拭い大会でしかなくなるので、あまりにも陳腐な展開になっていた。
進ノ介が犯罪者を裁く基準も適当で曖昧なので、マジで何を考えているか分かんなかった。人を愛する心があったら何をやっても許されるっていう超越的な倫理観で話が進行するっていうね。ロイミュードに同情の余地なんて1ミリもないし、圧倒的に理解が追い付かない神展開だった。
本当に何言ってるの?
・各エピソードの圧倒的完成度の低さ
警察としての倫理観や「らしさ」が著しく欠如してるのは御覧の通り。だったらエンタメとして何も考えなかったら面白いんじゃないかな……と思いきや、そこも壊滅的というね。
まず何と言っても「後出しが多い」。というか、後出ししかないんだけどね。この一言に尽きるけど、どんな圧倒的なピンチも危機的状況も全てを「後出し」で封殺する事が多い。
今作は一応刑事ドラマっぽい体裁を取っているんだけど、そこからしてまず終わってる。ろくな判断材料や証拠もなく推理なんて出来るはずがない段階で、「実はこうなってました!進ノ介は何でもお見通しでした!」って風に話を畳む事がまあ多い。
視聴者には犯人の予想も立てられず犯行の手口も分からない段階で、進ノ介があれこれ台詞で片付けて終了するってパターンがまあ多い。初耳だらけの真相をベラベラとまくしたてられて終わる事がまあ多いので、謎解きを期待して見ると大やけどする。
それに反抗の手口にしても、超常現象を利用したものが結構ある。人間をデータ化するとか記憶を抜き取るとかね。この辺は流石は特撮ドラマって趣なんだけど、そのせいもあって後出しジャンケンに拍車がかかってる。
「えっそんな能力あるの?」って感じで理解が追い付かない段階で、進ノ介が唐突に事件の真相に辿り着いて概要をベラベラ話すだけなのでマジで誠実さの欠片もない。視聴者には一ミリも共有出来てない事実を元にアホみたいに語り明かしてるだけなので、マジで着いていけなかった。伏線張ってるつもりにすらなってない。
惨状が論外なのは当然としても、長谷川の脚本も結構酷かったのがしんどい。謎解きを進める過程に関してはテンポも良くてかなり見やすいんだけど、解決方法で慌ただしくなってごちゃごちゃしちゃうってのがまあ多い。後出しジャンケンで終了する回も多く、誠実さの欠片もない。全てにおいて後出しの極み。
・解決方法がせこい
じゃあ具体的にどんな解決法があるのかを見ていきます。
まず筆頭に挙げられるのが「シフトカー」。これはマジでチートレベルのアイテムで本当にズルさしかしないので、本当に意味が分からない。
敵がどんな厄介な能力を使ってこちらを苦しめてきても、大抵シフトカーが出撃して状況を何とかしてくれるってのがまあ多い。強敵が現れてもシフトカーでワンパン、ケガしてもシフトカーで治療、探し物もシフトカーが運んできてくれる。どんなピンチもシフトカーで脱するし、ここはマジで論外。
これの何が酷いかって、どのシフトカーもぽっと出で唐突に出てくる所なんよな。「開発中のアイテムがある」とか言って存在を匂わせる事もなく、能力の全容が分かる事もない。視聴者的には全く預かり知れないアイテムが急に出てきて物事を丸く収めてくれるので、真面目に見てる人を馬鹿にしてるとしか思えないんだよな。
6話とか19話とか21話とか36話とかが特に酷いけど、いくら相手が強かったり捜査が難航していても、シフトカーさえあれば綺麗に話が終わってしまうのが圧倒的にヤバイ。
他には進ノ介の記憶力が冴えわたってる事になったり、秘密を知ってるゲストが唐突に登場したり、特異体質で強引に押し切ったり、心の中にデータを移植して蘇生したり、蛮野が解毒したり。細かいモノも多いけど、筋を通して物事を解決した事なんかマジで少ないと思う。
特異体質とかデータの扱いとかもそうだけど、今作の設定って何かと余白が多いんだよな。「それどういう事?」と疑問に感じる概念が非常に多く、またそれらをちゃんと説明しないまま話を畳む事が多いので、印象としては「後出しジャンケンで雑に片付けた」って風になる。
・作者にしか理解出来ていない世界観と設定
これはキョウリュウジャーと全く同じ問題点があるんだけど、作者の脳内だけで完結してるんだよな。設定もキャラも展開も、作者の脳内ではちゃんと描けているつもりになっているのが恐ろしい。
今作はとにかく脚本家の自己満で話を作ってる感じが相当強い。視聴者に向けて伝える気がないというか、脚本家の脳内だけで完結してるんだよな。配慮がなく不親切で、設定やキャラの性格を1から10まで台詞に起こしまくっていて非常に頭に入って来ない。
兎にも角にも「台詞だけで満足してる」様な展開が多く、あんまり頭に入らないんだよな。このキャラはこういう事を思ってこういう行動を取りました、こういう設定があるからこうなりました、この展開を踏まえてこうなりました……みたいな感じで、普通だったら描写を経た上で脚本を書いていくのが筋だと思う。
でも今作の場合は全部が全部を「台詞だけで描写したつもりになってる」んだよな。だから頭に入って来ないし、作者には分かっていたとしても視聴者は置いてけぼりになっている展開がやたらと多い。やりたい事は分かるんだけど、圧倒的な描写不足のせいで首が締まっている。
キョウリュウジャーの総括からコピペ。
そんな感じで視聴者の印象を超えてあれこれ説明したり、キャラ付けを適当に済ませたり、基本的な設定の描き込みが浅かったりするもんだから、どうにもヘンテコで頭に入って来ない展開が多い。
土台の作り込みが甘いから、どんな熱い展開を持って来ても上滑りしてるんだよな。
ベルトさんの秘密主義だとか、力の根源が敵と同じだとか、剛の「俺達は怪人同士じゃないか」って台詞とか。仮面ライダーの基本設定をなぞった展開を持ってくる割には、その事を描写出来てない。露骨な誘導で印象操作を与えているだけで、気持ちが着いていかない言動が多い。
シフトカーの性格も台詞だけで片付けるから誰がどういう性格なのかを把握出来ない。何でもかんでも台詞に起こすだけで満足してるんだよな。
基本設定もガバガバ。ドライブに選ばれる基準も最後までよく分からないので、10話や33話や映画などの展開がマジで滑り倒してる。
それにドライブシステムと「心」の繋がりが最後まであやふやなので、33話の蘇生が後出しジャンケンの宝庫にしかなってない。
剛は蛮野の息子でしたって展開も、そもそも種明かしの時点で蛮野の存在感が薄過ぎるので剛の悩みに共感出来ず。更には彼の家庭環境に対する掘り下げもあまりに薄いので、剛のドラマは何一つ面白くない。
中盤の主人公とも言えるチェイスの悩み(~26話)も適当。掘り下げもないまま悩ませるし、元々の性格も分からないから変化もピンと来ないし、粛清の基準も分からない。
他にもフリーズの能力とか特異体質とか「ロイミュードに悪の心を植え付けた」とか、全体的に概念がふんわりしてるんよな。SFっぽい作りになっている癖に、その中身はファンタジーと見間違わんばかりの適当で曖昧な設定のオンパレードだった。
そういう曖昧な設定や概念をきちんと説明する事無く。作者の脳内だけで分かった気になっている事がまあ多い。だから結果として後出しジャンケンにしかなってない展開が多く、何をしようにもピンと来ないんだよな。
続いては、そんな惨状の悪い所が全面に出た「構造の欠陥」について触れていきたいと思います。
・構造の欠陥
作品としての基本構造や構成がかなりいい加減なので、意味不明な展開が非常に多くなっている。
1.特状課の存在意義
25話の正体バレ以前の話だけど、途中までは特状課の存在意義がなさすぎてヤバかった。まあそれ以降も存在意義なんてないんだけど、24話までは構造が破綻しまくりだったんよな。
初期の特状課は本当に何の為に存在してるのか全然分からなかった。ライダーと特状課が違う方向を向いているから、話が上手く纏まってないんだよな。正体を隠す必要がなさすぎる様な構造になっていて、どうにも分かりにくくて不可解だった。
ドライブは敵を撲滅する事が目的で、特状課は犯人を逮捕すると。それでいてドライブの事は秘密で、ロイミュード事件も世に知られてないとなると、特状課の存在意義が本当にないんだよな。敵を倒すだけならドライブで事足りるし、そもそも特状課がどういうモチベで動いているのか分からない。
世間的にはロイミュードの事は知られてなくて小馬鹿にされてる様な職務なのに、彼らが一体何を目指しているのかが分かんないんだよ。犯人は大体ロイミュードで最後はドライブが処理するもんするもんだから、逮捕に向けて動いてる訳でもないしね。
途中までは進ノ介も特状課も事件解決って方向に向かって進んでるんだけど、最終的な事件解決はドライブに丸投げという。特状課の面々は事件解決の為に頑張っていたはずなのに、最後の最後はドライブに丸投げしてるからどうも構造が不透明なんよね。
事情を知らない特状課の面々はあくまでも犯人逮捕が目的なのに、ドライブが敵を倒しただけで満足してるっていう謎がずーーっと残るんだよ。途中までは一心同体で頑張ってたとしても、肝心の事件解決を外部に丸投げしてるのは不自然な構造だった。
そもそもドライブが敵を倒した事さえ知らないはずなのに、何故か満足してその話を終えてるから特状課が何を目指してるのか本気で分からない。
それにロイミュードが認知されてないなら、コピー元の人間を裁く理由も分からないんよ。途中からは「ロイミュード扶助罪」的なのが出てきたけど、24話以前はそういうのもないしね。その癖久坂は逮捕されるし、どういう基準で裁いてるのかが良く分からない。
確信めいた所までの推理は敢行する癖に、肝心の怪人の話とかには一切立ち入らない不自然さ。ドライブの正体は秘密なのに、事件解決はドライブが担うというガバガバさ。特に役立たないし、本当に「隠れ蓑」としてしか機能してない。
そもそもの話、警察とか世間がロイミュードの事を知らないのは無理があるんよね。後付けで伏線って事になったけど、流石に強引な展開だった。
総じて言えるのは特状課とドライブを分けた意味が無いし、隠す理由もないって事だね。途中からは改善するけど、途中までは「本当にこれで良いの?」っていう疑問が消えなかった。
2.ロイミュードの設定
ロイミュードの各種設定もかなりガバガバ。
そもそも相手をコピーするっていう設定自体がまあ分かりにくい。顔や背丈と言った身体的特徴をコピーするのか、記憶もひっくるめてコピーするのか、2人以上コピー出来るのか、そもそもコピー元との関係はどうなっているのか。
記憶をコピーしたとて、それがロイミュードの人格形成にどの程度影響を与えるのか。悪事を働くという本能はどこから来てるのか。
特に序盤の方だとこの辺の設定が固まり切ってないのが素人でも分かるし、まあ曖昧だった。終盤の方までふんわりしてたのはゲロ出そうだけどね。
そもそもの話、ロイミュードの目的が中々明かされないのもしんどい。進化して何をどうしたいのかが一向に明かされないから、序盤のホントに苦痛だった。
進化して新たなステージに進むだの言ってるけど、そもそも進化の基準もかなり曖昧なんだよな。コピーして何がしたいのかが分からないし、目的が曖昧過ぎて中々ついていけない。人間をコピーして、そこからどうすれば進化するの?色んな人のデータを取り込めば進化するの?暴れたら進化するの?
何をすれば進化出来るのかっていう基準も何も分からない段階で、「新しい事例が出て来ましたねえ」とか言いだすしマジでついていけない。彼らの設定の作り込みが浅く、余白が多過ぎて作者にしか分かってない感じだった。31話でようやく明かされるんだけど、ぶっちゃけ遅過ぎです。ゾディアーツを見習え。
他にも「死神の粛清」もよく分からない。特に悪い事をしてなくても粛清するし、そもそも進化に繋がりそうな行動でさえも粛清に乗り出そうとするしでマジで何がしたいのかが分かんなかった。何をすれば粛清に繋がるのか、何をすれば琴線に触れるのか。ロイミュード周りの設定が適当過ぎて、死神の存在意義もないんだよな。
もっと言えば粛清した回数も1回くらいしかないので、死神としてのアイデンティティや役割は無いに等しい。この辺のチェイスのキャラ付けの適当さが後にも響いてくるんだけどね。
特状課とロイミュード。作中の根幹を成す設定がかなりグダグダで適当なのは救えないね。各種設定が噛み合ってないし、展開も不可解なモノが多い。作者にしか分かってない状態で話が進行するから、マジで何やってんのか分かんない。
・壊滅的なキャラ描写
警察としても落第、倫理観も落第、ストーリーも落第、設定も落第。じゃあキャラくらいはマシだと良いな、そう願っても無駄だから~~~ グッバイ!♪
・特状課
特状課の面々はまあダメ。これはさっき「警察として終わってる」って所で書いたから簡素にするけど、どのキャラも警察らしさが死んでるキャラしかいない。
進ノ介は警察なのに私情を入れて犯罪者を擁護しまくりだし、ロイミュードに肩入れしてグローバルフリーズを引き起こすなど狂った行動が多い。
他にもシンプルに性格が悪く、高圧的で傲慢で独善的な言動が多く、やたらと鼻につく造形だった。
その癖脚本家からの厚い御加護を受けているので、マンセーに拍車がかかっているという地獄。
霧子は普通に性格が悪くて魅力がない。無愛想で可愛げがないし、心理描写もブレブレ。進ノ介を意識したかと思えばチェイスにぞっこんになり、最終的には進ノ介に股を開くというビッチ属性を持つ魔性の女だった。
「チェイスを信じる信じない」って議論にしても、あんまり一貫性はなかった。見限った次の回には介抱してるもんで、何がしたいのかあんまり読めない。
剛に対する当たりも強く、心配をよそにチェイスとのラブロマンスに興じたり、剛の誠意を軽くスルーしたり、ビンタしたりとシンプルに姉として性格が悲惨だった。脚本の都合で動く事が特に多く。あんまり血の通ってないキャラって印象だった。
その他の特状課の面々は空気。粒だった個性こそあるけど、それが脚本に反映される事はなく、進ノ介との信頼が特別濃い訳でもない。現さんは結構好きだけどね(アンチの風上にも置けない)。
・ベルトさん
ベルトさんはただの変身アイテムでしかないので、特に存在感もない。10話とか31話で進ノ介に対する抑止力になったりと相棒らしい対立をする事もあれど、結局進ノ介マンセーに終わるのであまり機能してなかった。
45話辺りの掛け合いはかなり良かったけど、ぶっちゃけ相棒らしい事をしたのはその時くらい。あまりに空気な相棒でした。
ってかそもそもの話、霧子もベルトさんも進ノ介のバディとして扱われているもんで、軸がブレちゃってるんだよな。誰が正妻かが分かんないし、そのせいで映画とか33話の大事な場面でコケてしまってるのはある。相棒が定まってないのは致命的な欠陥だと思う。
その他にも蛮野との関係性もあるにはあるけど、ろくに説明もなくイマイチ繋がりが見えないからドラマになってなかった。全体的に言える事だけど、人間関係の繋がりが希薄で情報量が少ないんよね。属性付けるだけで満足してるというか。「元同僚だから詳しく言わなくても分かるよね」みたいなノリで説明を放棄してる事例がまあ多い。
・剛
剛はマジでピエロ。背負ってる物こそ大きいかもしれないけど、まるで魅力のないキャラだった。
初期の方は何やら焦ってる様な素振りを見せるし、何かしらの事情があるんだなってのが察せられるんだけど、具体的な説明は何もないからまあ感情移入出来ない。アンチロイミュード的な姿勢を貫いてはいるんだけど、その奥底にある動機が分からないからイマイチピンと来ないんだよな。
撲滅を急いでいる割には、悠長に名乗って敵を逃がす事もあったし……
それで27~8話で満を持して明かされた真実もクソショボいというね。「剛はロイミュードの生みの親である蛮野の息子でした、霧子に真相がバレる前に撲滅します」とは言うモノの、ここは丸っとダメダメ。
そもそもの話蛮野の存在感が限りなく薄く、10話でチラッとだけ触れられた空気キャラを軸にして「満を持した種明かしです!」って風にやられてもピンと来ないでしょ。ロイミュードの発明者って事でインパクトを付けたつもりになってるだけで、実際問題蛮野のキャラ付けが何も出来てないからあまりにショボい真相にしかなってない。
肝心の霧子は「お父さんがクズなのは何となく知ってました(^▽^)/」と抜かす始末なので、剛の頑張りが全て無駄になっているというね。これは救えない。
それにその真相から「是が非でもロイミュードをぶっ殺すわ」って風な動機が形成される過程もかなり説得力がなく、中盤は剛が何をしたのかがよく分からなくなるんだよな。姉の笑顔の為に戦うって言うんなら、ロイミュードに寛容的な姉の姿勢を尊重するべきだと思うし。
何というか、背景と行動があんまり合致してない感じ。背景は分かるにしても、そこが「剛がロイミュードを憎む理由」にはならないと思うしね。他でもない剛自身がアンチロイミュードになった過程を作らないままにドラマを作るもんだから、どうもよく分からないんだよ。
そこの動機の弱さをプラスアルファで作れていたら完璧だったんだけど、しっくりこないまま進むから全然感情移入出来ない。核となる動機が不明瞭なんよね。これでは剛の良さは生きてこない。
オマケに雑な扱いが散見されるのもマイナス。ハートとの因縁は存在意義のないまま消失するし(36話)、「特状課や姉ちゃんに合わす顔がない」とか言ってしばらく距離を置いていたにもかかわらず、何のキッカケもなく和解していたり。作ったドラマの片鱗を雑に丸投げする事も多く、キャラの尊厳が破壊されまくりだった。
・チェイス
チェイスはマジでヤバイ。主人公並みの背景を背負っている事もあってスポットが当たる事が多いんだけど、どのドラマもかなりグダグダしてる。
1クール目から早速「俺は誰だ」とか言ってアイデンティティに悩む姿が描かれるんだけど、正直な話彼の背景やキャラ付けが完了してないまま話が勝手に動くから、一ミリも感情移入出来ないんよな。彼が今一体何に悩んでいて何をどうしたいのかが分からず、「戦う事で存在を証明する」とか言い出してるのもギャグにしか見えない。
そもそものキャラ付けがないままあれこれ悩んだり思わせぶりな態度を取るから、ドラマが本当に面白くなかった。元々の性格も分かんないしね。
で、2クール目以降は空気。ただ命令に従って動くだけのキャラになるので、主体性が根こそぎ奪われてしまった。そもそも「キャラクター」がないと言った方が適切で、誰かの指示で動くだけだから中身が何もないんだよ。虚無の極み。
チェイス関連の話はかなり多いんだけど、どの話も壊滅的に面白くないっていうね。悩む理由も分からないし、botの域を出ないから魅力なんてあるはずもない。
そんな主体性がなくアイデンティティに悩む彼が如何にして自分なりの答えを見つけ出すのかが26話の大きなトピックだったんだけど、ここはマジでアカン。人類の言いなりにされる宿命とか人類のエゴを散々指摘した後で、結局「人類の言いなりになります」とか抜かしたのはビックリ仰天。
主体性がなく人類のエゴやプログラムに沿ってにしか動けない機械人形にしかなれてないんだよな。彼の行動は全部プログラムに沿ってるだけだし、キャラクターが何もない。滅の原型ですね。
その後はただヒロイックに頑張る無個性キャラに。
かと思えば一般人を恫喝したりと、中々自由奔放に頑張ってました。
他には急に霧子に惚れたり、「人類に近付きたい」とか唐突に意味不明な事を抜かしたりと色々と迷走してました。正直な話無個性ロボットだった彼が「家族愛を守る為に戦う」って結論を出したのは結構好きだったりする。けど、トータルで見るとしょうもないキャラだったと思いますね。
・ロイミュード
ロイミュード勢も頭おかしい人しかいない。
ハートはマジで頭おかしい。ダブスタガイジで暴君でしかなかった。
一応彼はは仲間想いで友達を大事にしてるってキャラなんだけど、その癖に仲間を見捨てる場面も相当多く、ただのクズでしかなかった。
チェイスをあっさり見捨てるし、メディックによるブレンいじめは見て見ぬふりをするし、そんなメディックに対して冷たく突き放したと思った矢先に急に優しくするっていうDV夫としか思えないクズっぷりを発揮する。
001が進ノ介を殺した際にはキレ散らかすし(数が増えないロイミュードを殲滅するドライブが死んで損する事は1ミリもないから。要は自分が進化したいだけ)、001が死んだ際には悲しむより先に進ノ介の復活に歓喜するという。
「ロイミュード同士どうして仲良く出来ないんだ」とは言うモノの、その癖イジメは容認するし仲間の死を悼まないしで言ってる事とやってる事がバラバラ。
更に彼は強敵に燃える戦闘狂って側面があるんだけど、これがまあ印象最悪。001への態度からも分かるけど、「進ノ介が生き返った喜び>>>>フリーズの死」って風に捉えてるんよ。たとえ仲間が死んだとしても、好敵手が生き返ったらそれでOKっていうね。
(踏み込んだ話をするなら、そもそも33話時点では剛がハートの好敵手になる可能性は残ってたんだよな。だから進ノ介の死にキレるのは早漏だし、仲間想いとは真逆の発言に辟易する事間違いなし)
友達想いっていう性格と相手が強ければ強い程燃えるっていう性格があまりにも噛み合ってないんだよな。ドライブが強くなればなるほど友達が死んでいくって事なのに、その事を平然と受け入れているのは頭沸いてる。
友達にこだわる割にはその背景も分からず、最終的には「自分が進化出来たら友達は死んでOK!」みたいな歪んだ価値観を見せる様になる。言ってる事とやってる事が著しく乖離していて、恐ろしいくらいのダブスタガイジだった。
ブレンも魅力ない。11話で急にハートに惚れるし、結局その理由も分からないまま死ぬし、最後は謎に急にメディックに感化されたりする。彼も例に漏れず脚本の都合であれこれ動いていて、あんまり共感出来ないキャラだった。最後は善人面して無駄死にするしね。
特にハートに惚れた一幕だったりメディックとの不仲だったりは31話まで何を意図しているのかがさっぱり分からないので、意味のない小競り合いを20話近く見せられるっていうね。理解に苦しむ。
メディックも致命的。ハートに惚れる理由が乏しく、やってる事は普通に外道なのに急に良い奴認定されたりと不自然な展開が多かった。で、最後は無駄死に。エッモ。
ブレンとメディックの関係性も何とか作ろうとしてたけど、あんまり機能してなかったと思う。
・蛮野
蛮野は本当にくだらないキャラ。全ての元凶になって都合良く責任転嫁させる為の役割しかないので、キャラクター性は皆無。
人類をナンバー化して支配したいとか言ってるけど、その動機は一切分からない。うっすいうっすい背景しかないので、何がしたいのかが分からないんだよな。
ベルトさんとの関係性も薄く、剛との関係性もかなりやっつけ仕事。「ロイミュードは悪くない」っていう展開をしたいが為の舞台装置で、キャラクター性はなかった。こんなのが一応ラスボスになってるので、あまりの核の無さに驚く事必至である。
・雑な人間ドラマ
キャラクターにはもちろん魅力がないとして、オマケに人間ドラマもまあ雑。まともに描けたのは何一つない。
まず霧子と進ノ介の恋。彼女らの関係性の変化や歩み寄りは一ミリも描けていないので、まあ悲惨な出来だった。
何と言っても距離を詰める話がないんだよな。過程がないまま「互いを異性として意識する間柄」になるし、唐突な恋愛描写をぶっこんでくるから理解不能。
特に霧子の心理描写ははガバガバで、13話で急に慌てふためいたと思いきやチェイスにぞっこんになり(ここもまあ意味不だけど)、散々チェイス一筋になった挙句に進ノ介大好きキッズに身を落とすという。あっちに行ったりこっちに行ったりしてるもんで、何を考えてるのか分かんない。
進ノ介の方もいつどこで霧子を好きになったのかも分からない。チェイスに対して「お前は霧子のナイトなんだよ」と臭い台詞を吐いたかと思いきや、謎に嫉妬する描写が入ったりとあまりに芯がない造形してたと思う。
もっと根本的な話をするとしたら、そもそもバディ関係ですらまともに描けていないので、そこから恋仲に発展されても何も説得力がないというね。
次にチェイスと剛の関係。正直ここが一番ガバガバ。
剛は何かとチェイスを目の仇にしていてつんけんしてるんだけど、ある時を境に何のキッカケもなく急に態度が軟化してデレデレになっていくという。
チェイスとの交流や距離を縮めるまでの過程はマジで何もなかった。時間の経過で馴れ合ったり大袈裟にリアクションを取って仲良さげな雰囲気を出してるけど、実際の交流に中身があったのはたったの一度きりだった。
33話で進ノ介を死なせた後悔を背負う剛に対し、「愛する者の為に戦う戦士なのは分かった。自分の信念を貫け」って言った所だね。こういうシリアスな掛け合いや上辺だけじゃない心の交流があってこそ、初めてダチと呼ぶにふさわしいドラマになる訳。
でも実際どうですか?時間が経っただけで急に手の平を返した様に仲良くなってたし、中身のある掛け合いやドラマはほっとんどなかった。いつの間にか馴れ合う様な関係性になっただけで、ホントに何もないんだよ。ドラマもクソもないんだよな。
昔はあれだけつんけんしててギスギスしてて不仲だったくせに、剛の闇落ち展開を経た後に「なんとなく」態度が変わっただけなんよ。39話くらいで急に馴れ合う関係になった時点でクソなんだけど、そこに至るまでにちゃんとしたドラマがないからその時点で詰んでる。
過程も何もないままに友達認定するもんだから、ぶっちゃけ何言ってんのか分かんない究極のエモ展開だった。こういう失ってこそ初めて大切さが分かるって展開は王道なんだけど、彼らの場合はドラマも交流も何もないからマジで響かなかった。その癖演出は泣かせに来てるから、どうも寒い。
オマケに蛮野との因縁もかなり適当でブレブレ。剛が蛮野をどう思っていてどういう態度を取っているのかがよく分からないまま話を進めたせいで、盛大のクラッシュしてるんだよね。好きなのか見下してるのか、さっぱり分からない。ジードみたいだね。
詩島家の関係性や過去をろくに掘り下げなかった弊害が出てる感じで、子供達にとって父親がどういう存在なのかをほとんど描写せず、なあなあのまま進めたせいで何も感情移入出来ない作りになってた。
「父親の尻拭いをするのが息子の役目」とか「家族の愛を裏切った」とか「俺達はお前の何なんだよ」とか、あたかも「信じていた父親に裏切られた」と言わんばかりの温度で喋るもんだから何も気持ちが着いていかない。
母親は早死にしたし、幼い頃から霧子と二人だけで生きてきたんでしょ??一体どこで父親と関わったの??一丁前に父親らしい事をして貰った経験とかあるの??父親を慕って雰囲気出してるけど、一体何があったの???
詩島家の全容がほとんど見えず、複雑な家庭環境の割には全く触れられもしない。そのせいで父親が元凶って事が分かったとて、何も意外性もないし剛に共感出来ない。詩島家って元々仲良しだったの??
なんか「息子」としての役割を受け入れてる様な印象なんだよね。息子だから何とかしなきゃいけない、みたいな。でも肝心の父親との繋がりや彼を慕う気持ちがろくに描かれず掘り下げられもしなかったから、ガチで何言ってるか分かんないんよな。
ここマジで惨状の悪い癖出てるわ。設定作っただけで満足しちゃってる。「元凶の息子が仮面ライダー!どう?ビックリしたでしょ?」みたいな。設定は悪くないと思うけど、それに伴う肉付けが壊滅級だから何も感じない。家族の繋がりを描写をしない事には、何も感じません。
蛮野をクズと思ってるからこそロイミュード撲滅に走ってるのかな……と思いきや、何か未練タラタラで愛情に飢えてる素振りを見せるし。別に剛は家族がいなかった事にコンプレックスを感じるキャラでもないので、蛮野との因縁は全部滑り倒してた。「さよなら俺の未練」って何?
他にもブレンとメディックの関係とか、ベルトさんと蛮野の因縁とか、どのドラマも上手く作れてないんだよな。どのドラマも積み重ねとなる描写や土台作りが疎かなままに進むもんだから、全然頭に入って来ない。これは中々にクソ。
・テーマがやばい
警察としても落第、倫理観も落第、ストーリーも落第、設定も落第、キャラとそこに付随する人間ドラマも落第。
もうここまで来ると問答無用でゴミなんだけど、ドライブの場合は「テーマ性」もマジで腐ってるのが凄い。本当にここまで来ると逆に芸術だと思う。
「ロイミュードに人権はあるか?」
「ロイミュードは人間の道具でしかないのか?」
「ロイミュードに良い奴はいるの?」
2クール目辺りから「人間のエゴとそれに振り回されるロイミュード」っていう議題が出てくるし、チェイスがそのドラマの中核を担っていたのは事実。人間の道具として、また死神として他者に利用されるだけだったチェイスが如何にして主体性を得て結論を出すのかが大事だったんだけど、ここもまあコケた。
進ノ介やベルトさんは「元仮面ライダーだから良い奴に決まってる、目を覚ませ」って感じでチェイスの生まれ持った使命を強要しているし、霧子も脳死で仮面ライダーとしての役割を期待するだけ。チェイスの尊厳を認めていない様な言動が多く、それこそ人間のエゴで振り回していた訳。
で、色々悩んだ挙句彼が出した答えがこれ。
結局最後まで彼に主体性が伴う事はなかったし、本能に則った生き方しか認めてもらえないっていうあまりに偏った展開で頭が痛かった。この結論を出すまでの過程もクソ雑だし、テーマ性は瀕死状態。人間のエゴを肯定してどうすんの。
チェイスの心理描写がどれも壊滅的に下手な上に、決断に至るまでの展開も穴だらけでザル過ぎるという始末。何考えてるか分かんないし、結局は人間の都合を押し付けられただけのゴミ展開だった。
人間側についても「使命をなぞっただけ」だし、ロイミュードについても「元の出自に沿っただけ」というね。肝心のチェイス自身のキャラクターが一切生まれていなくて、どんなオチになっても奴隷にしかなれないっていう残酷さ。
自分の足で1歩を踏み出す所か、結局他者の思惑の上でしか動けないっていうのはあまりに救いのないカス展開だと思います。こんなの死神として利用されてた頃と何一つ変わってないよ。
で、蛮野登場以降の展開もまあクソ。やたらとロイミュードに同情的な展開が多くなるし、テーマに対してあまりにズレた答えを出していたと思う。
確かにロイミュードの出自は可哀想かもしれないけど、それでも悪事を働いているのも事実。なのにそこに目を伏せて「ロイミュードは人類のエゴに振り回されてるだけだから悪くない!!共存可能!」とか言い出す始末。ロイミュードの善性を大きく偏りのある形で描き、それを作品の結論に持ってくるという意味不明さ。
人間の悪意をなぞっただけだと言っても、実際に悪い事やってんのにそれを無罪放免にするのは圧倒的に違う。
それに進ノ介はロイミュードの独自性や人権を認める様な物言いが多い癖に、実際やってる事は上から目線で裁きを加えているんだよね。ロイミュードの人権を尊重しているようで、変に擁護したり特別扱いしたりとダブスタ発揮してんだよな。
本当にロイミュードの人権を認めているなら、しっかり裁いて逮捕するなりすれば良い物を、「可哀想だから許します」みたいな自分勝手な事を言い出すっていう。
チェイスに対する認識もそうだけど、結局進ノ介がやってんのは「人類のエゴでロイミュードを振り回してるだけ」なんよな。我こそはロイミュードの人権を尊重していてエゴで振り回したりしませんとか言いつつ、当の進ノ介本人が一番エゴまみれっていう。
ロイミュードは人類の支配からの脱却を目指しているのに、最後まで手の平の上で転がされるっていうね。これは酷い。
とにかく言ってる事とやってる事が違うので、作品全体としても何が言いたいの??ってなってくる。ロイミュードの人権や主体性は最後まで認められないし、偏りのある形でテーマを描写するし、出した答えもやってる事と真逆でダブスタでしかないという。
結局この作品がないが言いたかったのかが分かんないんだよ。大きく捉えれば「人間悪い子、それでも頑張る警察カッコイイ」ってとこ?
総括
どこから突っ込めばいいか分かんなかったけれど、とりあえず書き切りました。長々と失礼しました。
本当だったらもっと具体的に「ここがダメ」とか「ここは良かったけれどその弊害であそこがダメになった」とか書きたかったんだけど、そういう次元ではなかった。全てにおいて落第点。
警察モチーフ……-30点
倫理観……-50点
ストーリー……0点
設定……0点
キャラ……5点
人間ドラマ……-40点
テーマ……-80点
本当にどこを取ってもゴミでしかない。
モチーフには泥を塗る仕様、倫理観も遥か彼方、ストーリーもクソつまんない、設定も曖昧で何でもあり、キャラも不快感しかない、人間ドラマも積み重ねがなく上っ面だけ、テーマも壊滅的。全ての要素がゴミ過ぎるし、惨状の悪い所しか出てない作品だった。作者の脳内で完結してる場面が多く、面白さは死んでしまっていた。
辻褄の合ってない展開や雑な構造が多く、普通に見ててもノイズが多くて楽しめない。頭空っぽにして見ても苦しい所しかないし、ここまで腐ってるのは奇跡だと思います。つまんないだけなら良いんだけど、不誠実で不快で不条理な展開しかないからマジでストレス溜まったわ。奇跡的なゴミですね。
そんな訳で。
「全てにおいて落第点のゴミ」
である、仮面ライダードライブの総括でした。
~完~
オマケ・好きな回トップ5
1位……
2位……
3位……
4位……
5位……