はるかの漫画化としての再起を描きつつ、漫画内の再現ドラマで大いにふざけつつ、ゲストの話にもそれなりに尺を取りつつ、次回に繋がるジロウの悩みを描きつつ。色々詰め込み気味ではあったものの、一つ一つの要素は楽しいので満足ですな。

これと言ってまとまりがあるとか完成度が高いとは思わないけど、見てて楽しいのは勝ちです。ぶっちゃけ中身は薄い話だけどね。


・はるかのマンガみち

はるかはソノザからの拉致監禁に対抗し、頑張って漫画を描いてました。漫画家としてのプライドをかけつつ、脳人に人間の感情を学ばせるという良い子ちゃんな動機でアレコレ頑張ってました。

突拍子もないヘンテコ展開を書き続けるはるかに対し、マンガであってもリアリティが必要だと厳しく追及するソノザが印象的やね。ソノザは人間の感情の機微が分からないこそ、無意識的にリアリティを求めてしまっている。一方ではるかはスランプに陥ってよく分からない展開を描き続けていると(私情でソノザをボコってたのは草)。

(ソノニとダンスする展開を褒めてたのはよく分かりません。。。)

はるかに足りないものがハッキリしたというか、大事な事に気付けたんじゃないかなと思いますね。理由もなく人を好きになって良いのか?って所はまあ井上作品で何度か感じた事ではあるけど、井上はその辺の感情の流れとか心情の揺さぶりを丁寧に描くよね。

井上の作家としてのポリシーとか意地を感じられた気がするし、結構共感出来る所が多いですわ。物語の整合性とか派手さとかよりも、まずは登場人物の心理のリアリティが欲しいよね。少なくとも私はそう思ってます。


で、その後に椎名ナオキと対戦。利き手と得意料理とその味と絵柄が同じという、「椎名ナオキ=もう一人のはるか」である事を示唆している様な展開だったね。未来のはるかとか並行世界のっはるかとかだろうか。

最後は椎名ナオキを超えると宣言してFIN。再び漫画家としての野心をかけて戦っていく事になっていくのであった。

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ぶっちゃけた話、個人的にここの展開に何一つ価値を見出せないですね。

まずあの盗作騒動は「ドンブラザーズに選ばれた事による代償」なのであって、そこに関して言及するのは野暮というか無意味だと思うんだよ。椎名ナオキと戦ったり正体を突き止めようとしたりしても無駄というか、そこに答えなんかない気がする。

だって真利菜だって盗作疑惑かけられてたんだし、「そういうもの」でしかないんよね。そこに答えを求める必要性なんかないと思うし、本当は椎名ナオキなんて実体のない存在でしょ。個人的に世界のルールとか断りとして「それはそれ」として割り切ってるから、そこを掘り下げても仕方ないとは思う。

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あと再び漫画家として頑張るって展開も特に面白さを感じないなあ。公式サイトでも「一回解決した問題に再び向き合います」とか書いてたけど、もう放置しても良い様な気がしてる。漫画家を辞めてドンブラザーズとして戦う覚悟を決めたという成長軸を描き切っているだけに、掘り起こすのはナンセンスというか。。。


「世界の不条理を浴びて盗作疑惑をかけられながらも、そこに立ち向かって自力で栄光を取り戻す」って展開は熱いと思うけどね。ポイントを使うでもなく、底力で困難を乗り越えられたらかなり盛り上がると思う。はるかなら何とか乗り切ってくれそうな気がするしね。

それにドンブラザーズを続けつつ、自身の夢を取り戻すってのは誰も不幸にならないし。はるかが真の意味でハッピーエンドを迎えるには必然の流れだと思う。番組ももうすぐ折り返しだけど、はるかの変化軸を追加したのはメリハリがついて良いと思います。


現状は椎名ナオキの事とかはるかの指針についてあまり魅力を感じないけども、面白く描いてくれそうな気もするので期待はしておきます。あまりに膨大な風呂敷をちゃんと畳めるかが肝ですね。


・ジロウ

ジロウは闇人格のせいで除け者にされている事に疎外感を覚えていました。ナチュラルサイコな一面しかない彼だけど、ヒーローへの想いとか一生懸命さに嘘はないんだよな。健気な一面があるし、なんだか可哀想で嫌いになれないかも。

別に好きな要素は何にもないんだけど、扱いが悲惨だと応援したくなっちゃう。きゃぴきゃぴしてて可愛い弟キャラって感じだし、愛される要素は持ってると思うんだな。それが魅力に結び付いてはないと思うけど。

次回はジロウが巨大ロボを手に入れるそうです。登場からそろそろ10話近くが経過するけれど、いよいよ強化ロボが出るとの事で結構ワクワクしてきたね。まあ次回は翼のメイン回って感じだけど。


今更感はあるけれど、ドン家の繋がりについても言及されました。同じくドン家の者であるならば、兄妹ではなくとも親戚とかではありそうだけどね。その辺どうなってるんだろう。

なんかドン家の事とか脳人世界の事についてはそこまで掘り下げられない気がするけど、どこまでやってくれるんだろうね。


・電磁鬼

ゲストの人は富も名声も手に入れていて、何でも手に入ったからこそ虚しさを感じていました。全てが思い通りに行ってしまうと人生に価値を見出せなくなるというか、多少の困難とか壁があった方が人生に張りが出るのかもしれない。

成り上がり故の虚しさを感じるの、龍騎の北岡っぽいよね。特に初登場時の。傍から見ると成功者だけど、本人にしか分からない様な孤独を抱えてる様なそんな造形。結構好きですね。


タロウはそんな豪田に「お前が面白くない人間だからだ」とか「俺には分からないな」とか結構辛辣な物言いしてました。この辛辣さとかドライさのせいで怪人が生まれるってのも初期によくあったパターンだし、色々懐かしかったな。最近はもう怪人化するゲストの背景なんか結構適当になってるし。

ただタロウが豪田に理解を示さなかったのはしっくりこない。タロウだって「何でも出来るからこそ逆に得意な事がない」って言ってた訳でしょ。「優秀過ぎて逆に満たされない」という点では豪田と同じ思考だと思うんだよね。

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言ってる事の本質は両者とも似てると思うから、タロウが素っ気なく突き放したのはピンと来なかった。そりゃまあタロウは人生退屈してないんだけど、「何でも出来るからこそ逆に~」って所は共感して欲しかった感がある。


豪田は面白さを求める怪物になってしまったけど、最後は暴走してた頃の記憶を糧にちょっとだけ満たされてる感じがありました。100%完璧な救いではないにせよ、少しでも満たされた様で何より。今回はゲストの話を割と真面目にやってて好感触です。


・雑感

はるかの漫画の実写映像、映画に引き続きカオスな感じで楽しかったですね。印象が全然違うタロウとか、井上感満載のコテコテなソノイとか、頑なに半袖を着させてもらえない翼とか、演技の幅が凄いつよしとかがツボだった。

スランプに陥ったはるかの天女コスは意味不明やね。悪い夢でも見てる様なヘンテコさで笑ってしまいました。はるかの顔芸好き。


介人が読んでた本の作者、よく見ると「高村純」でした。香村おばさんをもじってますね。この手のもじりだと、セイバー最終回の長谷川圭一が好きです。


今回の話はレギュラー全員に程よく出番があったし、巨大戦も各パーツを上手く活かしてたし、割かし戦隊らしい展開が多かったと思う。この辺は監督の好みなんでしょうね。


次回は獣人関連の話にも動きがありそうやね。また爆弾を落としてきそうです。

8月の放送日程を見てみたけど、第4週放送の回(26話)では監督と脚本が「?」になってました。タイミング的に総集編になりそうな気がするけど、わざわざスタッフを伏せてるのが気になる。去年みたく八手三郎が脚本になるとしても、監督を伏せる意味がないというか。とんでもない爆弾でも隠し持ってるんだろうか。


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