めっちゃ安心感のある話でした。やっぱり前回のは本当に偶然のラッキーパンチだっただけで、根っこの部分はゲロまみれなんだろうなって事を再確認出来て良かったです。


・フリオと陽介

彼らの仲違いにもう一段仕掛けを作ったのは良かったけど、決して褒められるモノではないよな。何故かフリオの方から「裏切ったのは俺だった」なんて言ってたけど、どう考えても陽介の方がクズじゃん。いじめられてたとはいえ、今になってぬけぬけと面出されても反感買うだけ。

フリオが今何歳かは分かんないけど、今になってようやく謝罪をすんのは遅くないか?割と年数経ってんじゃないの。事情を説明するでもなく延々と他人面してた癖に、今更出てこられても誠意なんて伝わってこないんだけども。陽介も辛かったんだろうけど、出てくるタイミングが悪いわ。


傷付いた度合いで言えばフリオの方が圧倒的に上なのに、何故かフリオの方が後悔する流れになっていて不可解だった。言い訳がましくなってもいいから、陽介がちゃんと説明していればこうならずに済んだと思うんだけどなあ。


互いの誤解が解けて仲を取り戻した……と思いきや陽介が怪人に!!

そんなショッキングな展開を作りたかったんだろうけど、やっぱり陽介の方に情状酌量の余地を見い出せなくてあんまり感情移入出来なかった。別に陽介が死んだのだって因果応報でしかないし、そこまで驚きの展開でもない。


結局フリオはこれからどうなるんだろう。もう変身出来なくなるとして、ただアギレラを支える係になるのかな。今回の経験を糧に、仲間と真剣に向き合う様になるとかそういうノリ?今回で退場する雰囲気も出てたけど、その辺踏みとどまってちゃんと活かしてたのは偉いと思ったけども。

ワンチャン一輝達と和解する可能性もあるけど、どうなる事やら。


・一輝の性格

一輝は心情をぶちまけてました。

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他人を助ける事に生きがいを感じていて、自分を大事に出来ない悲しみを背負ってました。愛乃めぐみですね。最終回では自分を大事にするっていう結末をお願いしたいです。


ただ、そのキャラの人となりを台詞だけでベラベラ片付けてるのは全然好きじゃない。この前友達とも話してたんだけど、一輝って何かと台詞だけで性格を説明されてんだよな。今回だってそうだし、他にもお節介だのなんだの言われてる訳だ。

そういう性格を行動で説明する前に全部台詞で済ませちゃっているから、視聴者的にあんまりピンと来てないんだよな。「このキャラはこういう人なんだな」ってのを自分で理解する前に、作り手の方から解釈の幅を狭めてしまってるんだよ。


そりゃ台詞で説明するのは凄く楽だし適当にキャラ付けを完了させられる魔法の手法だけど(惨状はこういうのが大好き。だからガバガバになる)、実際に行動で示す前にそういう事を言われると本当にピンと来なくなる。

「言う程か?」って思うし、そんな疑問とは裏腹に作中では「台詞通りの人物」である事が強調されるもんで、本当に訳が分からなくなる。一輝がお節介っての、あんまり感じた事ないんだよな。どっちかというとさくらの方が当てはまると思うんだけども。


っぱキャラ描写に関してはマジレンジャーしか勝たんっていう結論に至る訳ですよ。その言動から人となりを格別に判断する事が出来るし、「この子はこういう性格です」なんて野暮な台詞を言わせなくてもちゃんとキャラ付けが出来てるのは秀逸だと思いませんか。


・一輝とバイスのバディエモエモエモエモエモエモエモエモエモエモエモエモ

唐突で臭過ぎる吐露はひとまず置いておいて、その後はバイスとの関係性にスポットが当たってました。

が、ありもしない信頼関係を前提として話が進んでいるので、マジで何言ってんのか分かんなかった。そもそも13話のデレの時点で相当こっぴどい展開だったけど、それを基軸にしてるから事故らない訳がない。

それに悪魔の設定がガバガバなので、どうにもピンと来なかった。

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エモい空間で偉そうな台詞をぶちまけてたけど、そもそもの話一丁前にバディ面されてもついていけないよね。いつそこまで仲良くなったのかも分かんないし、13話の時点でクソガバ展開だった以上、それっぽい事をされても何も響かない。ここは完全に土台作りをミスってるので、今後こういうエモシーンを作る度に事故るのが目に見えててめっちゃ可哀想です。


肝心の内容にしてもダメダメ。「一輝=バイス」って事をしてるけれども、そもそも彼らを同一視出来るだけの材料も何もないんだよな。バイスと一輝って全然性格違うし、共通項なんて見受けられないし作ろうともしてないでしょ。

「悪魔はその人の違う一面だよ、言わなくても分かるでしょ」的な温度感で喋ってるけど、残念ながらバイスに関してはまるでそれを表現出来てない。カゲロウとかラブコフに関してはまだ人間の負の側面として描写出来てるけど(大二の嫉妬心、さくらの弱み等々)、バイスの場合はてんでダメ。


一輝をどうひっくり返したらバイスになるかも分かんないし、彼らの共通点を作れていないのがダメダメです。この展開に持っていきたいなら、「バイス=一輝の深層心理」って事をもっと強調したり表現したりしないと意味を成さない。隠された承認欲求とか他人の気持ちを考えられないエゴイズムとか、そういうのを一輝とバイスとで照らし合わせて欲しい。

例えばだけど、バイスの姿を見たお母さんが「あの子は小さい頃の一輝にそっくりね。元気で目立ちたがり屋で自分大好きな感じがよく似てるわ」的な事を言わせるでも良いじゃん。昔と比べて自己犠牲の精神が強くなった一輝の姿も描けるし、バイスとの類似点も作れるでしょ。それか「実は家族を恨んでます!」っていうとっておきの爆弾を用意するでもいい。


一輝の負の側面(目立ちたがり屋とか何でもいい)をもうちょい見せてくれないと、「一輝=バイス」っていう前提にしっくり来なくなる。そもそもバイスは3話以降はただの良い子になってしまったから、負の側面もクソもないんだけどさ。


結局何が問題かって、やっぱり「バイスの掘り下げ不足」に尽きると思うんだよな。視聴者への媚びやメタネタを入れる事に終始して、話に参加させず、基本的な概念や行動原理を曖昧なまま話を進めた結果、今回みたいなエラーが発生してんだよ。

バイスが何をしたいのかを明確にして、その上で一輝との共通点を掘り下げないと。そもそもキャラクター性を深める事をしなければ、他人との共通点なんか作れるはずがない。一輝の掘り下げが足りてないっていうのもあるけど、まずはバイスの行動原理の弱さがずっと響いてるんだな。


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だからこんな事を言われても、「ただバイスが厄介だから気に掛けてるだけじゃん」としか思えなかった。自分の一部だから興味を持ってるって風にはどうにも思えなかった。


・完全終了のお知らせ

公式サイトを覗くと、今回こそがリバイスで一番やりたかった事なんだってのが良く伝わって来たよ。雑誌のインタビューでも言ってた「人間は負の側面を持っていて、それを受け入れる事で成長する」っていう性悪説を昇華した展開にしたかったんだろう。

いつかはそういうテーマ性を完結させる話をするとは思ってたけど、まさか今回がそれに該当するとは微塵も思わなくてびっくらこいたわ。このテーマに答えを出したり発展させるにはまだまだ土台が足りてないし、助走にすら届いてないと思ってたんだけどね。なんか謎に着地してて草生えた。


大二とカゲロウがこのテーマ性を解決するものだとずーっと思ってたけど、悪い意味で予想を裏切られました。だって一輝の悪い所なんかまだまだ指摘され始めたばかりだし、悪魔との関係性もグダグダな状況でテーマに直結する話を作れるはずがないと思うじゃん。


変に相棒呼びしたりOPをカットしたりと気合の入った話にしてるのは良く伝わったけど、本気でこれで満足してそうで怖いわ。「解決した様に見せかけて後に掘り起こします」って展開なら良いんだけど、なんか本心で満足してそうで恐ろしい。

さくらは負の側面を切り捨て、大二は馴れ合い、一輝は制作陣の自己満で解決した事になってました。という事でリバイスは完全終了いたしました。公式サイトを読まない方が幸せでしたわ。ここまで制作陣との温度差があるってのは何とも悲しいですね。



・雑感

バイスとの仲良しパワーで怪人の分離に成功。すげー。シンクロ率がどうとか言ってたけど、雑な事には変わりないので何も言えません。


さくらはアギレラの救済を引き受けてました。何故?いつ情が湧いたの?
交換条件とはいえ、そもそもアギレラに情がないとあんな要求は呑まないだろう。どういう事。


記号は80歳らしい。次回掘り下げが入ると同時に死ぬんだろうか。老体引きずりながら戦って命燃やしたら絶賛されそう。全然知らんけど煉獄さんみたいな最期になったりして。エモ稼ぎの記号でしかないから早く退場して欲しいんだけども。

次回は毛利脚本だと思ってたけど、普通に木下だった。毛利ならワンチャン記号のキャラに肉付け出来ると思ってたけど、木下なら無理だろう。

来週はトリガーもリバイスも坂本だし、チキンレースにレジェンドが並び立つと思うとワクワクしてきた。熾烈なベベ争いは誰の手に!?



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