ニンジャミセンの特訓だ!ってことだったけど、シュリケンジャーの謎に迫るでも何でもなくただ特訓してただけだったから特に中身は充実してなかったかな。メインの内容もちょっとインパクト弱いし、もう少し充実した内容が見たかった。


・シュリケンジャーは生理中

今回の彼謎に厳しくてみんなが可哀想だった。彼は飄々とした雰囲気とか大人っぽい性格が魅力だっただけに、あんなにおこおこしてたのは違和感しか無かった。

27話くらいの「リーダーは誰だ」って話にしても、外野からさりげなくアドバイスしてあげたり時には厳しく突き放しつつもハリケンジャー達の成長を望んでる様な描写が多かった。ハリケンジャーがなまじ子供っぽいだけにそことの対比もあって頼もしい大人として君臨出来てたはずなんだよ。


でも今回はそんな品の良さは感じなかったしかなり自己中心的な性格に見えてしまった。来たるべき脅威を感じ取ったからそこへの焦りでスパルタになってしまったとは思うんだけど、さすがにあんなに取り乱す様なキャラじゃなかったと思うんよね。ちょっと違和感がデカかった。

まあ彼は御前様と密かにコンタクトを取ってるのもあるし、なにやら情報を持ってるのはたしかである。視聴者の知りえない場所で何かをしてるからこそ話せない事情があるんだと思う。そういった要素を鑑みると急に焦りだしたことにもある程度は納得出来る。


でもね、なんせ彼には秘密が多すぎる。視聴者的には彼の事情を察せるだけの材料が少なすぎるし、秘密が多すぎてそこまで感情移入出来ないんよね。ここの情報の非対称性が結構歪で、彼の企みをもっと大々的に明かしてくれないと彼の行動に納得出来ないんだな。

だから「いきなり焦ってるやん」って感想しか出てこないし、今回ばかりは鷹介の言い分に共感してしまうんだな。あの状況から察するに三味線のレッスンを投げ出すのは戦士失格だし相変わらずだなって感じなんだけど、あれだけの秘密を纏ってる人間の言うことなんてもっと信じたくないでしょ?


シュリケンジャーとの対立もなあなあで解決したし、今回の肝となる話はダメダメだったわ。シュリケンジャーの秘密を全部明かさなくてもいいから、「地球の為に頑張る意志は本物である」ってのを示して欲しかった気がするんよな。

確かに怪しい所はあるけど、地球を守る為に戦ってるのは事実。これまでもハリケンジャーを何度も助けてくれたし、そこはブレる事は無い。今回の話はそういった「シュリケンジャーの熱意」を感じ取れる様子があればいいのになって思っった。


ベタだけど身を呈して子供を庇ったり、避難誘導をしてたり。そういう描写を通してシュリケンジャーを見直すって流れだと綺麗だったと思う。そういうのもなしに和解されてもやや肩透かし。


・心を一つに

せっかく5人で特訓してたのに、実戦になったら個々人で三味線弾いててここはめっちゃズッコケた。5人の心を合わせて頑張ろう的な特訓だったのにそこはろくすっぽ活かされなくて残念だった。

楽器なんかみんなの気持ちを合わせてなんぼだし楽器を通してチームの結束力を高めるっていうのは説得力抜群。音楽祭とかで経験したことある人もいるかもしれないけど、ああいうのは個人プレーに走っちゃ負けなのよ。


自分は吹奏楽だったから余計に分かるんだけど、いくら上手い奴がいてもダメなんだよね。これは感覚的な事なので理解してもらえるか分からないけど、演奏する際にはチームの中に存在してる「グルーブ」をいかに感じ取れるのかが命題となる。

グルーブってのはノリとか楽器同士の絡み合いみたいなものよ。普段からグルーブ感じようなって話をされてたんだけど、中々理解出来ない日々が続いてた。


でもコンクールを直前に控えたある日、不思議と感じ取れたんだよね。自分の出してる音が演奏の中に溶け込んでるって言うか、チームの醸し出してるノリの中に存在出来ていた様な感覚に陥ったのよね。

その時の感覚は未だに思い出すくらい感動的だったんだけど、やっぱ言語化すんの難しいわ。合掌。


まあ要するに楽器弾いてたらチームの結束力も高まりますよってこと。今回の話が惜しかったのって、せっかく特訓で結束力を高めたのに実戦では何一つ活かされなかったことなんよ。ニンジャミセンが一つしかない関係上仕方ないとは思うんだけど、個人プレーで楽器を弾くだけじゃ特訓の成果を感じ取れないじゃないの。

あの三味線の特訓って個々人のスキルアップを目標としている側面もあるし、むしろ当初の目標はそこに設定されてたはず。でも特訓を重ねる道中で「チームワークを高めよう」的な感じで目的が変遷して言ってたし、最終的には個人のスキルアップよりもチームとしての技量を高めようってとこに着地してたんよ。


なのに結局そこの要素が全然生かされなかったのは残念だった。何とかして6人全員で三味線弾いて欲しかったのが本音だな。


・ムササビスタル

今回はサーガインが直々に出撃してた。ああいう感じでパイロットになれるのは面白いよね。サーガインに許された特権だと思います。

ムササビスタルは人間をクリスタルに変えていく能力を持つ。そのクリスタルをエネルギーに変えてビームを放つという恐ろしい傀儡だった。

空を飛べるってことで奇襲をかけるのも容易いし厄介な敵だと思われる。人間を直接動力源に変えていくのも残酷だし地球を腐らせる方法も割かしわかりやすい。前回のウェンディーヌの傀儡に文句垂れてたのも頷ける。


ってな訳でちょくちょく惜しい話だったかな。いい加減シュリケンジャーの謎を明かしてもいいのでは、と思った。

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